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2005.06.26
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カテゴリ:情報技術
このところなぜだかしきりに「身も蓋も…」という慣用句の切れ端がアタマにぷかーと浮かんでしまう。いや別に理由はないのだ、が、なにかしきりとぷかぁーなのだ。煙草の煙じゃあないんだからと思うが、とつぜんぷかぁーと味噌のおもてにこの語句が浮かぶ。つづいて「花も実も」という反対語のようなものも蠢き出す。「身も蓋もない」「花も実もある」…どーしたんだきみたち? 貯水率10%のダムのごとき脳味噌からときに、お~い、とさけぶ声まできこえてくる。ああ、こんなことしちゃってさあ、身も蓋もないなあ、か。そういえばそうした場面とそういいたくなるような人の動作に最近、私生活でも何回かお目にかかったなあ、バットマンそんなことブログに書いたら、身も蓋もないか、と、もうひとりのわたしは「にべもない」。ハダカになっていきなり土俵に上がるのは相撲だけにしてもらいたい、まあそういいたくなるようなひとたちも世間様には無数にいるわけで、わたしだって恥知らずといえば、こうしてこのように自作小説を看板に掲げて、こうして雑文書いてるわけだから、恥知らずのひとりに違いないわけだ。まったく奥ゆかしさとか、孤高とか縁がどんどんうすれて光の速度で遠ざかって行く。褌作家とでも自称するか。日曜日の新聞各紙には読書欄のコーナーがある。テレビでは日曜美術館とか。こういうものを見ても特に感想もないが(それらは最初から、教養とか文学とかいったカテゴリーによって安心マークが付けられている)、なるほどいきいきと生きる生を棚に上げて、ありあまった余暇を潰すという効果は絶大かも知れない。え?そんなこと云ったら「身も蓋もない」か。

そこへゆくと、大嫌いだけれど、たとえば百足。百の足と書くところが面白いが、それが悠然と畳を這ってゆく光景というものは、身も蓋も花も実も飛んでしまうくらいはちょっと吃驚する。けっこうおおきい奴で、体長15センチはあるか。コテツを向かわせてみたがすこし身構えて右前脚でネズミを捕らえるみたいに二三回撥ねていたがけっきょくらっきょう押入の襖の隙間から闇の奧へ逃げられてしまった。足の数が圧倒的に差があるものなあ、仕方ないか。しかし侵入した押入の闇にはむかしこの地で戦死した落ち武者がひとり住みついていて、ときどき雨の夜などにことわりもなしに現れるのだ。そこにこんどは百足も棲むわけで、がらりと襖を開ければそこは百鬼夜行の幽玄世界か。国芳みたいだ。しばらくは晴れていて欲しいものである。

身も蓋もないといえば、それは情報技術なる用語で括られてしまったデジタルの世界こそがふさわしいかもしれない。先日、別のところに置いて愛用していたアップル社のノートパソコンPowerBook3400/240MHzが逝ってしまった。いつものように起動釦を押したところ、ひゅるるると微かな音がしてそれきりウンともスーとも言わなくなった。いや、何度か試みてみたところでは、ジャーンというMac独特のおごそかな起動音は鳴るから、ハードデスクも無事に回転し起動もしているが画面は真っ暗なまま。つまりは液晶がいかれてしまったらしい。ハードデスクが使い物にならなくなるクラッシュではないから中の膨大なデータは守られているはずだ。おもえばこのマシンを購入したのはかなり昔だ。東京駅八重洲ブックセンター横の路地にあったパワーYuという店で即金で買った。メモリもフルに積み69万円ほどもしたわけだが、ぶっこわれてしまえば、ABS樹脂でできたただの黒い箱にすぎない。それはさながら死者の骸を眺めるようで、そこに存在するものの、停止した振り子、変化を止めたブツである。愛着があるのでぽいと捨てるにもしのびず隣人に焼いてもらえば環境汚染になってしまう。わたしが買い求めた当時は(価格も仕様も)ごまんなノートブックの中の最高機種で、花も実もあった。筐体の蓋の部分がもっこりもりあがったそのユニークなデザインはたしか千葉大工学部出身の日本人デザイナーによるもので、そこにはボーズのスピーカーがなんと四つも隠されていた、だから身も蓋もあった!でもまあ、せいぜいがそれくらいである。

正午前からこの日記を書き出していま正午になった。きょうも暑くなりそうというかもうすでにじゅうぶんに暑い(29度C)。百足は当分闇の中で遊ばせておくとして、この持ち帰った骸をどうするか。卓上にしばらく安置し、生花で供養をしてハードデスクだけ取り出すか。それとも液晶を秋葉原のジャンクショップで探してきて再生させようか。忙しくない時に壊れて欲しかった、豊かだった時代に壊れて欲しかった、ゆずって欲しいといっていた奇特なひとがいたが、できればゆずってその後で逝って欲しかった…などなどタラレバな不満はのこる。いったい、身も蓋も花も実も…いやそもそもこうした情報デジタル世界に身や蓋や花や実をさがしもとめるほうがまちがっているのではないか。蓋くらいはあるだろう。社員のクビを切って企業を再生したと称し、秒単位の取引で巨額のマネーを動かして経営者ですと称し、またたくうちに成り上がる。そういう暗渠の蓋のような連中が娑婆を大いばりで闊歩し、そうした金融財政経済を学問と称し大学で教える男が財務改革なるものを指揮する。花も実も、これでは咲く気も熟した実をたわわにみのらせるヒマもないだろう。

 田一枚植て立去る柳かな 

なぜ芭蕉はこう詠んだか?しかしかかし答えレバ、それこそ身も蓋もない ┌|∵|┘







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Last updated  2005.06.26 14:25:54
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