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カテゴリ:経済問題
今日(20日)は、前回紹介できなかったトルコ経済(特別消費税(OTV)税率の引上げとエルドーアン大統領の中東詣で、そして、今日のトルコ中央銀行(TCMB)金融政策委員会(PPK)の政策金利)について紹介します。 ブログ更新のための励みにしていますので、クリックを是非よろしくお願いします。
前回、「当初から『管理されたクーデター』あるいは『なんちゃってクーデター』という疑惑が指摘されていましたが、事件から7年間が経過した今も、警察も検察も、軍も、MITも、裁判所も政治家も、そして野党も反政府系の報道機関も、誰も真相究明に努力しない、協力しないという状況が続いているとのことです。」と紹介しました。これは一つの見方ではありますが、かなりの部分で正鵠を射ているのではないかと思います。このように、トルコではいろいろなところで“藪”や“ブラックボックス”が存在していると言えそうです。今日はその“藪やブラックボックス”の観点からトルコ経済に関する解説が行われていました。ただ、トルコ経済に関しては、その“藪やボックス”がどこにあるのかは極めて明白です。つまり、全ては“エルドーアン大統領の頭の中”にあると言えます。いつも紹介している解説者は、今日はこの問題に関してズバッと指摘していました。イマムオール大イスタンブル市長やクルチダルオールCHP党首、アクシェネル善良党党首などの野党に関する考えでは、最近、管理者と考えがかなり違うこととが明らか??になっていましたが、今日の解説は100%納得できる(批判すべきところが見当たらない)と言っても良い内容でした。“藪の中”、“ブラックボックス”と紹介しましたが、経済の場合、「思考経路、細かい過程」は「藪、箱」であっても、結果は非常によく見えるとも言えます。それでも多少の意見の違いはあり得ますが、「社会政策や思想ほどの不透明性・不確実性はない」と言えます。解説者は、一言で言えば、「エルドーアン大統領に対インフレ策はなく、その意思もない。表面を取り繕って、何とか来年の統一地方選挙を乗り切ることだけを目的としている。したがって、今後もトルコ経済は悪くなることはあっても、良くなることはなく、ましてや統一地方選挙後は、トルコ経済は一層悪くなる。最悪なのは、“トルコ(経済)が長いトンネルに入ったこと”ではなく、“トンネルの出口が全く見えないこと、あるいは、出口があるのかどうかですら分からないこと”である」と指摘していました。 より具体的な説明として、「今日の政策金利の引上げ幅は250ベーシスポイントであった。これは実際のインフレ率からも、市場の期待からも大きくかけ離れた、異常に低いものであった。それにもかかわらず、リラ相場が大幅に下落しなかったのは、中央銀行・トルコ政府が再び市場に介入したからである」と指摘していました。つまり、「トルコ経済はうまく行っている、あるいは、エルドーアン大統領の経済政策が成功している」というポーズを取りたいがために“政策金利の引上げ幅を大幅に縮小した”ということが根本として存在しています。しかし、「癒着企業への税金の合法的横流しも、大統領府予算の大盤振る舞いも、その他AKP関係者の経済的優遇も全く変わっておらず、財政は緩みっぱなしである。その穴の埋め合わせをするために、特別消費税(OTV)や付加価値税(KDV) 税率の(大幅)引上げを行ったり、インフレ率を偽って公務員給与、年金、最低賃金などの上昇率を異常に低く抑えたりするなど、国民にだけ負担を負わせる政策を取っている。その上で、為替相場を実力以上に低く抑えて成功を装い、また、中東詣でによって当座をしのぐ資金を獲得して、発生した余剰分だけ国民にも少しだけ恵みを与えることで、統一地方選挙を乗り越えようとしている。これだけ傍若無人に振舞うことができるのは、5月の選挙で、“(エルドーアン大統領が)何(=どれだけひどい圧政)をしても、それを喜んで受け入れる有権者が半分を占めていること”を確信したからである。」と指摘していました。 まとめますと、「エルドーアン大統領は、自分の経済政策が成功しているというポーズを取り続ける(=政策金利は、合理的な水準まで上がることはない)」、「来年の3月まで社会政策を取り繕うために、中東マネーに頼ることになる」、「そのためには如何なる犠牲も払う」、「それがどんなにうまく行っても、統一地方選挙を乗り切るところまで」であり、「その後、トルコ経済は全く予測も付かないほどひどい状態になる」という推論でした。少し飛ばしたところがあります。「それでも、インフレ率の上昇に応じて政策金利の多少の上昇は止まらず、失業率が大幅に上昇することになる」という指摘もありました。一言で言えば、「トルコ経済(=普通のトルコ国民)は、“お先真っ暗”という状態」と言うことになりそうです。
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Last updated
2023.07.21 19:04:34
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