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2012.12.16
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カテゴリ:宗教
* 楽天の規制の関係で一ヶ所、オリジナルと変えてあります。

一夢庵 怪しい話 4-571 「ヤコブの梯子」

 アブラハムのもとから追放された長男のイシュマルがアラブ人の祖となり、アブラハムのもとに残った次男のイサクがユダヤ人の祖となるのですが、それ故に、アブラハムはユダヤ教徒、基督教徒、イスラム教徒からも父祖と称されることになり、それをもって神の預言が成就したと解釈するようです。

 ところで、エジプトからカナンに戻った後、互いの牧夫どうしのいさかいから伯父のアブラハムと袂を分かってヨルダン地域へ移住し、その後、ソドムへ移り住んだロトたちがどうなったのか?というと、ソドムの滅亡に遭遇したことで知られています。

 アブラハムとロトの関係はさほど険悪というものでも無かったようで、エラムの王ケドルラオメルによってソドムが略奪された歳に、ロトの家族が家財もろとも捕虜として連行された際には、そのことを伝え聞いたアブラハムによって救出されてもいます。

 実際、ロトが残っていたら残っていたで、イシュマルとイサクのアブラハムの後継者騒動に確実に巻き込まれたというか、もっと揉めたのではなかろうか?

 それはそれとして、ロトたちが移り住む以前から、ソドムとゴモラの街の腐敗を快く思っていなかった神様ヤハヴェは、この2つの街を滅ぼす決心をしたとされるのですが、この頃になると、いわゆる”ノア契約”は有名無実化していたのか?神が局地的とはいっても直接人類を皆殺しにする決断をしたわけです。

 もっとも、さすがにまずいと思ったのか、ソドムとゴモラを滅ぼす計画を事前にアブラハムに告げて意見を求めているのですが、アブラハムからしてみれば、ソドムに移住した甥のロトのことが気がかりで、一部でメジャーな神様を相手に値切り交渉をしたとされています。

 つまり、神様が最初はソドムの待ちに100人の心正しき者がいれば街を滅ぼすことを止めると切り出すと、アブラハムはその心正しき者の数を値切っていき、神様の側も10名まで値切りに応じたわけですが、流石に10名を切るとロトの家族だけで条件をクリアしてしまいかねないあたりで、10名が下限になったのかもしれません(邪推)。

 アブラハムとの事前交渉の後、神様は2柱の天使を旅人になりすまさせてソドムに派遣し、それと知らずに、ロトの一家はその2人の旅人たちを歓待するのですが、他の住人達が2人の旅人を男色の相手をさせるために引き渡すようにと主張してロトの家を取り囲んで騒ぎ出し、ロトが自分の未婚の娘を身代わりにするから旅人に手を出さないようにと交渉しても納得せず、かなり危険な状態に陥ってしまいます。

* 旧約聖書でロトの妻と娘たちの名は明かされておらず、ロトの妻の名としてのエシェット・ロットというのは、”エシェット”が”~の妻”で、”ロット”が”ロト”というヘブライ語起源の呼称になるそうです。

、 事、ここに至って天使たちは正体を明かして、神のソドムとゴモラの抹消計画を告げ、ロトに家族を連れて街を脱出するように勧め、天使達に先導されてロトたちは夜が明ける前にソドムの街を離れるのですが、その際、天使たちから”決して後を振り向かないように”と注意されていたにも関わらず、ロトの妻だけは朝になってツォアルの町に着いた時に後を振り返ってしまい、そのまま塩の柱になってしまいます。

 ソドムとゴモラが神の降らせた硫黄の火によって一瞬で焼き尽くされて滅んだ後、事の次第を知るが故にロトと娘達は山中の洞窟で暮らし始めるのですが、ここで娘たちは父を葡萄酒で酔わせておいて交わり、男子を1人ずつ生んだとされていて、長女の息子は”モアブ(”父親より”の意)”と名付けられてモアブ人の祖となり、次女の息子は”ベン・アミ(私の肉親の子)”と名付けられて後にアンモン(ヨルダンの首都のアンマンの由来)の人々の祖となったとされていますが、実際のモアブ人などの歴史とは異なるようです。

 ロト達が住んだとされる洞窟は現存しているのですが、ロトたちがアブラハムの一族を頼らなかった理由が近親相○にあったと考えると腑に落ちますが、聖書に於いてモアブ人といえば、モアブ人の女性”ルツ”がダビデの祖先とされ、イエス・キリストの家系図にも登場することが知られています。

 人類の祖がアダムとリリンの2人ないし、そこにイブを加えた3人だったとしても、そこから子孫が増えていくとすれば嫌でも近親結婚が生じることになりますし、その後も、ノアの家族しか生き残らなかったノアの洪水の後も、嫌でも(どのあたりまでを近親とするかにもよりますが)近親結婚が不可避のこととして生じたわけですから、性風俗の乱れや姦淫の類に厳しくなり、それを根拠に街の住人を根こそぎにするとなると、その良し悪しとは別に、どこかで神様が代わったのか?という気がしないでもありません。

 それはそれとして、アブラハムは、イサクが年頃になると息子の嫁探しをはじめているのですが、召使いを故郷のカルディア方面へ向かわせています ・・・ 約束の土地”カナン”とそこで産まれ育った娘たちの立場はどうなるのかという気はしますが。

 アブラハムの故郷周辺で嫁探しのあてのない旅をしていた召使いですが、ハランの町で駱駝を休ませた際に手厚くもてなしてくれたリベカという娘をこれと見込んで連れ帰り、リベカはそのままイサクの嫁となるのですが、イサクとリベカもなかなか子供に恵まれず、結婚から20年目にやっと授かったのが双子の男の子だったことで後々揉めることになります。

 ちなみに、双子の兄がエサウで弟がヤコブですが、活発で狩りが得意な兄のエサウは父親のイサクのお気に入りに、物静かで知的なヤコブは母親のリベカのお気に入りとなり、カインとアベルのように殺人事件にまでは発展しないまでも、エサウとヤコブの対立構造が形成されていきます。

 エサウは良く言えば活動的なアウトドア派ということになりますが、悪く言えば智恵と思慮が足りない粗暴な人物ということになり、実際、ヤコブが豆料理をしているところにやってきて、ヤコブが”長子権”と交換するのなら豆料理をあげると持ちかけると、長子権と豆料理の交換に応じています。

 もっとも、正式な長子権の譲渡には父親のイサクの祝福による承認が必要ですから、エサウからすれば最初から豆料理をただ食いして踏み倒すつもりだったのかもしれませんし、実際、父親のイサクは、エサウが狩りで仕留めた獲物を持ち帰って調理すれば、その食事の後にエサウに祝福を与えて全財産を譲ることを約束します。

 が、その話をリベカが立ち聞きしたことで話はこじれ初め、イサクの視力が弱ってきていることと、兄弟間で豆料理と長子権の交換が成立していることから、エサウが狩りに出ている間に、エサウになりすましてイサクから祝福を受けるようにヤコブを煽動し、ヤコブはまんまとイサクから祝福を受けることに成功します。

 出し抜かれたとは言うものの、そもそも豆料理と長子権の交換を了承したエサウが激怒するのは筋違いといえば筋違いなのですが、エサウはヤコブを殺すことで事態を打開しようとし、それを察知したリベカはハランに済む兄のラバンのところへヤコブを逃がすことで当面の危機回避に成功しています。

 その逃避行の道中でヤコブが見た奇妙な夢が、後に”ヤコブの梯子”と呼ばれるようになる夢で、天から地まで繋がっている長い梯子を天使が上り下りする夢だったのですが、その夢と同時に受け取った神の告知はヤコブの子孫が繁栄するといった内容だったようです。

 ”ヤコブの梯子”といえば、一般人がひょんなことから自作したタイムマシンの名称としても一部で知られているのですが、天国への階段の元ネタという説もあり、あまりに意味不明な夢の内容だけにかえって創造をかき立てらるのか、意外とファンになる人が出てくるようです。

 もっとも、ヤコブを待ちかまえていた現実はなかなか過酷なもので、伯父のラバンはヤコブを働き手として迎え入れ、ヤコブはヤコブでラバンの次女のラケルに一目惚れしたことで”7年間の労働と引き替えにラケルと結婚する”約束が結ばれることになり、ヤコブはせっせと7年間の労働に耐え、やっとの思いでラケルとの挙式に漕ぎ着けるのですが、翌朝になって長女のレアが花嫁に入れ替わっていることに気が付いたのでした(笑)。

 それでも、ラケルとの結婚が諦められなかったヤコブは更に7年間の労働をすることで次女のラケルをやっと妻にすることができるですが、ラバンの作戦勝ちといえば作戦勝ちですし、15年近い労働に耐えたことで周囲の信用と2人の花嫁を得て、財産も少なからず形成されたことを考えれば、ヤコブにとっても一概に悪い取引では無かったのではなかろうか?

 ちなみに、ヤコブはレアとの間に、ルベン(長男)、シメオン(次男)、レビ(三男)、ユダ(四男)、イサカル(九男)、ゼブルン(十男)の6人を、ラケルの仕え女だったビルハとの間にダン(五男)、ナフタリ(六男)の2人を、レアの仕え女だったジルバとの間にガド(七男)、アシェル(八男)の2人をもうけています。

 肝心のラケルとの間の子は、ヨセフ(十一男)とベニヤミミン(十二男)の2人だけで、まあ、仮に最初に出会った頃のラケルが15歳くらいだったとしても、14年後には29歳ですから、婚姻から順調に妊娠しても初産は30歳以降の話になっただけに、一番割を食ったのはラケルということになるのかもしれません。

 いずれにしても、アブラハムの孫になるヤコブは12人の男子の父となり、ヤコブの一族はイスラエル12部族の祖となって神が約束したように”星の数ほど”増えていくことになります。

 かくして、それなりの月日が流れ、妻帯もし財産も形成したヤコブの気がかりは、双子の兄のエサウとの関係がこじれたままになっていることだったようで、やっとの思いで故郷に帰る決断をしています。

(2012/11/17)





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Last updated  2012.12.16 07:57:34
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