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2012.12.18
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カテゴリ:宗教
*楽天の規制の関連で、1ヶ所オリジナルとは異なる表現になっています。

一夢庵 怪しい話 第4シリーズ 第573話 「ヨセフの夢占」

 そもそも夢とは何なのか?ということにもなるのですが、起きている間に脳が認識したことを寝ている間に整理していて生じる電気的なノイズのようなものといった面白みに欠けるもっともな説もあります(笑)。

 もっとも、脳が認識する外界の状況というのもかなりあやふやなもので、本人の認識している主観世界と、他人が外部から状況を認識している客観世界の内容とが整合しているとは限らないのも比較的知られた話で、例えば、薬物を摂取したり過度の飲酒をした人の認識している主観世界が”この世ならざる世界”になってしまうことがあるのは比較的知られた話になります。

 ざっくり書けば、一般人でも何日も1日に1~2時間程度の睡眠で過酷な作業を延々と続けていれば霊魂の体外離脱状態というかトランス状態に陥ることがあるのは比較的知られた話ですし、少なくとも注意力が散漫になってきてミスが多発したり、酷い場合は幻聴や幻覚の類に悩まされるようになることもまた実体験を伴って御存知の方が多い話になるのかもしれません。

 それはそれとして、兄達に奴隷として銀貨20枚で売られた末、売却先のエジプトで濡れ衣を着せられて牢屋に収監されるという波乱の人生を歩んだヨセフの一発逆転が始まった切っ掛けが”夢占”で、古来、夢を電気的なノイズではなく未来を予知する現象と解釈することがままあったわけです。

 その辺り、”夢告げ”とか”夢告(むこく)”いう言葉もあるのですが、それこそ映画でも見ているかのように具体的に夢として将来起きることを見ることもあれば、抽象的というか意味不明というか、一種の判じ物のように、解釈というか解説が必要な状態で将来起きることを見ることもあるわけです。

 怪しい話でも、何度か夢を解釈する話や、他人の吉夢を横取りする話を収録してきましたが、気になる夢を見た場合に専門家などに夢の告げる内容を解いて貰うことは、実はさほど珍しいことでは無い時代の方が長く、非科学的だとばっさり切り捨て居る人の方が実は少数派になるようです ・・・ これを書いている時点においてさえ。

 その辺り、近代以降も発明や発見の元ネタを夢で見た人は珍しくありませんし、武術だと”夢想”とストレートにネーミングしている流派や技は夢をヒントにしたものであることが多く、夢告げには神様からの告知が含まれていると考えた人の方が多かったわけですが、心霊現象を含むかどうかはともかく、普通なら生じない思考のブレークスルーが生じることを積極的に利用している人達が起源が定かではない昔からいることは確かな話になります。

 そもそも論で言えば、ヨセフの夢告げの才能は先天的なものだったようで、思慮が浅く経験に乏しい17歳の頃に、自分が見た夢の内容を実に無邪気に兄や姉に告げてどんびきされ、それが涸れ井戸に投げ込まれて奴隷として売られる遠因になったとも言えます。

 ちなみに、聖書に登場するヨセフの最初の夢告げとなる、自らの夢の解釈というのは、”畑仕事をしていて刈り取った麦を束ねていると、私(ヨセフ)が結わえた麦の束は真っ直ぐに立ち、兄たちの麦の束はその回りに集まってきてひれ伏すように倒れた”という夢をして、兄たちが自分にひれ伏すようになるとストレートに解釈しています。

 まあ、それだけなら兄達も多少”むっ!”として”馬鹿なこと言うでねえだ!”と反論する程度で矛を収めたかもしれませんが、脳天気なヨセフは兄や父ヤコブに懲りずに別の夢とその解釈話し、兄弟間の反目は決定的なものになっていきます。

 聖書に登場するヨセフの2番目の夢は、”太陽と月と11の星が私(ヨセフ)にひれ伏していた”というもので、太陽が父、月が母、11の星が多の兄弟姉を暗喩していて、早い話、ヤコブ家で自分が一番になると解釈してみせたわけです ・・・ ま、兄達が空気を読む気の無いヨセフを奴隷に売り飛ばしたくなる気持ちもわからんでも無い話の展開ではあります。

 さて、エジプトで牢屋に収監された後のヨセフと夢告げですが、冤罪であることが知られていたのか、模範囚と目されたのか、要領よく立ち回ったのかは定かではありませんが、牢屋の中で囚人達を管理する側にヨセフは回り、朗の外に出ることの出来ない囚人ではあるものの、犯罪者として処罰もされない奇妙な立場になったようです。

 そんなある日のこと、収監されたファラオの給仕長と調理長がそれぞれ奇妙な夢を見て、ヨセフがその夢を解くのですが、給仕長が見た夢は、”3本の小枝がある一本の葡萄の木があり、そのこの小枝から新芽が出て花を咲かせて実が成り、その果実を搾ってファラオの杯に注ぐ”というもので、夢の解釈は”3本の小枝は3日後を意味し、ファラオの杯に搾った葡萄の汁を注ぐのは元の職務に戻ることができる”ことを意味しているということで、見事に的中したことになっています。

 一応、ヨセフは給仕長に夢告げが的中して釈放されたら自分の事も宜しくと頼むのですが、人は喉元を過ぎれば熱さを忘れるとしたもので、ファラオの誕生日の恩赦だったのか給仕長は職場に復帰することに成功したものの、特にヨセフの為に何をするわけでもなく2年の月日が流れることになります。

 ヨセフが牢屋時代に解いたもう一つの夢は、調理長の夢で、”白いパンを入れた3つのカゴが頭の上にあって、一番上のカゴにはファラオのためのパンなどの食べ物が入っていたが鳥が集まってきて全て食べてしまった”という夢で、ヨセフの解釈は、”3つ頭上のカゴは3日間を意味し、そのカゴが頭上にあってファラオの為のパンを鳥が食べ尽くすということは、ファラオの命令で死刑にされて、その死肉を鳥たちがついばむことを意味している”というもので、これも的中したことになっています。

 事態が動き始めるのは、給仕長が復職して2年目の事とされていて、ファラオが”ナイル川の岸辺に立っているとナイル川から、良く育った美しい七頭の雌牛が上がってきて草を食べ始め、次ぎに、やはりナイル川から痩せこけた醜い七頭の雌牛が上がってきたかと思うと、先に上がっていた七頭の雌牛を食べ始めた”といういささかブラックな夢を見たことから話が始まります。

 奇妙な牛の夢から醒めたファラオですが、二度寝をして、また奇妙な夢を見ることになったのですが、その内容は、”一本の茎から七つの穂が生えている穀物があり、その穂はすべて肥えていたのですが、東風に焦がされた一本の茎から七つの穂が生えている痩せた穀物が生えてきて、その痩せた穂が先に生えていた肥えた穂を飲んだ”そうです。

 あまりに奇妙な夢を連続して見たことでファラオは国中の賢者や神官、魔術師などにそ夢の解釈をさせるのですが、どの解釈もファラオにとっては今ひとつだったようで行き詰まっているときに、給仕長が以前牢屋に収監されていたときに見た夢を鮮やかに解いて見せたヨセフのことを思い出してファラオに進言するわけです。

 ファラオに呼び出されたヨセフは、あっさりと”エジプト全土で、7年の豊作の後、7年の不作が訪れ大飢饉に見舞われる”とファラオの夢を読み解き、ファラオはその解釈に得心し、ヨセフを側近に取り立てたようです。

 宰相にしたことになっているのですが、流石に強○容疑で収監されていた奴隷を、その夢の解釈が的中したわけでも無い時期に一足飛びで宰相にするわけが無いことは指摘するまでもありますまい。

 その後、ヨセフは豊作の7年間の間に穀物の備蓄を進め、それぞれの都市に7年間の不作を前提に貯えさせることも進言し、その実行にも携わったようですが、7年の豊作の後に7年の不作が始まると、事前の備蓄が十分でなかった周辺の部族などが備蓄されている物資を求めてエジプトにやってくるようになったようです。

 その対価として受け取った金銀財宝や各地の土地は膨大なものになったようで、そうなってくるとヨセフの立場は劇的に改善され、ファラオからツァフェナト・パネアという名前を貰い、それなりの地位と権力を手にするようになります。

 かくしてヨセフはエジプトで成功するのですが、故郷のカナンも不作の影響で飢饉が始まり、エジプトへの買い出しに行くことになり、買い出しに出かけた先で兄弟たちは再会するのですが、かって兄たちに奴隷として売り飛ばされたヨセフとしては含むところがもちろんあり(笑)、次回の取引では穀物を渡す代わりに末弟(自分の同母弟であるベニヤミン)を連れてくるように要求し、それまでの間、異母兄のシメオンを人質としてエジプトに残させています。

 飢饉が深刻化していることもあって、兄達は追加の穀物を買うため末弟のベニヤミンを連れて再びエジプトに戻ってくるのですが、ヨセフはベニヤミンの穀物袋に銀杯を忍ばせておき、兄弟たちが出発した後に彼らを追いかけて、銀杯を盗んだとして持ち物を調べるというあくどいことをやらかしています。

 ヨセフがベニヤミンを自分の奴隷とすることを主張したのは、別の視点から考えれば、同母弟だけを飢饉から助けようとしたとも解釈できるのですが、兄達が自分達が代わりに奴隷になるからベニヤミンを父母の元へ帰らせて欲しいと頼み込んだことで、ヨセフも我に返ったのか正体を明かしたようです。

 その後、ヨセフは一族をカナンからエジプトのゴジェンに移住させ、妻アセナトとの間にはエフライムとマナセの2人の男の子を得て110歳の長寿で没したことになっているのですが、175歳で没したアブラハムの頃と比べても寿命が短くなってきていることに気が付く逸話でもあます。

 かくして、神様に約束された地であったカナンからエジプトへと舞台が移ることになるのですが、約束の地が安住の地で無いあたりが聖書の矛盾点のような気がするのは気のせいか?

 もっとも、それ故に約束の地”カナン”へ帰ることを悲願とする人達が出てくるわけですが、その辺りの話はまた別の機会に。

(2012/11/20)





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Last updated  2012.12.18 07:41:30
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