人間嫌いな正しい非手乗り文鳥の反応をするシキ
胸の桜ぼかしも鮮やかなシキ
今日は遠征してやろうと、仕事をさっさと片付け、正午過ぎには自転車に乗って東浦和駅に向かった。
駐輪場に入れ、JR武蔵野線を東浦和、南浦和、武蔵浦和、西浦和・・・、「ウラワ」ばかりだ。浦和と名のつく駅は、京浜東北線の浦和と北浦和、さらに埼京線に中浦和と、何と7つも存在している。この辺りの人は、よほどこの地名が好きなのだろう。サッカーチームの名称にしても、あくまでも浦和にこだわっていたように記憶している。
その西浦和の次の北朝霞で降り、目の前の朝霞台駅より東武東上線に乗り、次が志木だ。鈴木小鳥店というお店があるのは、ずいぶん昔から知っていたが(孵化器の輸入をされている)、志木市とはどの辺りかよくわからなかった。引っ越したおかげで、行動範囲に入ったわけだ。地図を見ながら、志木駅近くの慶応大学付属高校と、我が家の近くの高校とでは、偏差値では比べ物にならないのだろうなぁ、と考えつつ「駅のそばの丸井マルイ」を過ぎればすぐにお店はわかった。
店内は薄暗く、昔ながらの鳥屋的雰囲気ながら、風通しが良く不潔な感じはない。実店舗以外でも結構いろいろやっているはずの店主のおじさんが、預けていたらしいオカメとセキセイインコを迎えに来たお客さんの相手をしている間、店内を見て回ると、桜文鳥が7羽、白文鳥が3羽、それぞれカゴに入っていた。1羽別に桜文鳥がいたが、これは売り物ではないのかもしれない。7羽、みな外見的に美しく、人馴れしていない。血色が良く、じっくり見たが、メス的な外見は1羽だけで、他はオス以外にないような容貌をしている。オス4,000円、メス4,500円と書かれているが、すべて脚輪をしており、見当がつかない。
珍しい鳥、おそらく鑑賞用に改良された鳩(には見えないが鳩以外に考えられない)を横目に、とにかく7羽もひしめき合って売られているのがうれしくなり、この後、東上線で成増、下赤塚、東武練馬と経巡る計画を捨て、買うことにする。
店主、メスは1羽だけと言う。そして、捕獲して小さな竹カゴに入れる。それは、外見的に唯一メスだと思われた、細身で白い差毛がしっかり入った文鳥であった。・・・外見で判断しているな、と不安を感じたので、万一の場合のため領収書をもらっておいた。手乗りだと繁殖は無理だと言うようなことを言っていたので、14代繁殖していて、今ペアリングで苦労しているのは、お店で買った人間好きな文鳥のせい、といった話をした。いろいろなのである。
一目散に引き返し、1時間足らずで家にたどりついた。そして、用意しておいたカゴに入れる。自転車で揺られたが、特に問題なく元気。名前は、志木だからシキで良いだろう・・。
窓の近くの日当たりの良い場所に置いたら、落ち着かなかったので、壁際に移動し、「さえずるなよ!・・・、さえずれば、二チィの婿という手もあるか・・・」などと考えながら、遠くからこっそり様子を伺っていた。さえずる様子無し。日暮れ前になり、恐る恐るエサを食べ始めた。衛生的に問題なさそうだったので、隔離期間は3日ほどで良いだろう。即、アトと同居させようと思う。