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カテゴリ:文鳥動向の備忘録
輸入雑穀を貪る子だくさん夫婦(トミ・ノコリ) 「国産オーガニックでウチの文鳥は健康!」などと、脳天気に信じ込んで言ってみたいが、現実はそれほど単純ではない。百歩譲ってそれが健康により良いものであると認めたとして、それだけを食べても、残念ながら、長寿は約束されない。それは80年生きる人間でもそうなので、ましてその十分の一で一生を終える文鳥では、多少健康に悪そうなものでも、その悪影響が現れるよりも寿命が尽きるのが早い可能性を、考えなければならないのである。 さらに始末の悪いことには、健康そうに思えるものより、これはどうなのか?というものの方が、得てして好まれる。だからと言って、おやつのようなものばかり与えるのは、人間の子供同様に問題だが、国産より輸入物、人間で言うなら、最高級南魚沼産コシヒカリよりも、タイ米などにより魅力を感じることもあるわけだ。そして、それは不健康とは言えず、結局、嗜好に過ぎないとする他ない。・・・我が家の文鳥たちは、安物が好きで助かる。 さて、写真の夫婦は、「一羽っ子政策」の我が家としては、4羽を産み育てたが、実際は、その何倍、もしかしたら十数倍の産卵をし、さらにそれ以上の交尾を繰り返しているのは、確実である。このように、繁殖期の文鳥は、ひたすら繁殖行動に勤しむので、そのため、メスの卵巣ばかりか、オスの精巣も肥大化する。 この点、横浜小鳥の病院の獣医さんによるご解説をご参照いただきたい(コチラ)。もちろん、そのまま文鳥飼育専門の立場からは、注意を要する点もあるが、「鳥は発情時と非発情時において精巣の大きさが何十倍~何百倍も異なる」といった基礎知識は、しっかり押さえておくべきで、さらに「鳥は精巣を気嚢と接することによって、呼吸で冷却している。しかし発情によって常に発達した精巣は冷やされにくくなる。セキセイインコのオスには精巣腫瘍が非常に多く見られる」、との指摘は重要なものと思える。
つまり、怪しげな獣医の中には、自然現象として、繁殖期には必ず肥大する精巣を、レントゲンで写して見せて、「精巣が肥大している。精巣腫瘍ですな!」などと言い出しかねない、と、疑心を抱くのである(疑わしい実例を多々耳にしている)。しかし、今や小鳥治療の大家、その手がける症例の数で言えば、日本屈指よりむしろ一番と思われる獣医さん(海老沢さん)が、精巣トラブルは、セキセイインコに多いと特筆しており、文鳥という種類では、おそらく珍しい病気と見なせるものと思う。 セキセイに多く、文鳥に少ないとすれば、それはなぜか?海老沢氏の解説から勝手な敷衍をしてしまうなら、文鳥の方が、飼育下において飛翔運動を行いやすく、そのため気嚢に外気を取り込んで精巣の冷却も円滑に行われるため、となる(?)。セキセイインコは、本当は素晴らしい飛翔能力を持つ小鳥だが、残念ながら限られた室内(日本の広からぬ部屋)を単独で飛び回るのには適さないので、結果、運動不足が、精巣の機能にも影響してしまうのかもしれない。 それにしても、性欲過多で精巣が肥大するという発想は、笑っちゃうだけのものと思えるけどなぁ・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014年12月01日 22時40分06秒
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