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雀坊の納戸~文鳥動向の備忘録~

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2015年07月05日
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カテゴリ:文鳥動向の備忘録
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桜の中の白一点
 
 飛べるようになってきたし、飛び降り方も毎日繰り返していて、↑のように降ろしてやればみんなに混じって食べ漁るのに、どうして自主的に降りないのだろうか?飛び上がるのが難しくても(身体能力としては既に可能)、飛び降りるのは容易のはずで、食べたい一心で試みて良さそうなものだ・・・。
 文鳥にカウンセリング出来れば良いのに。先天的なものと諦めず、さらに繰り返そう。
 
 昨日の白文と駄文の話、桜文鳥が差別されていた『暗黒史』については、あまり繰り返したくもないが、私が、その変遷をどのように見ているか、整理しておく。たんなる無駄知識だが、実は文鳥という生き物は、他の小鳥とは違って、日本において長~い飼い鳥としての歴史を有する特別な存在なので、文鳥愛好者なら、自分の文鳥の祖先たちについても、少し気にかけてみても良いかと思う。
 
 江戸時代を通じて、一時的な色変わりの存在を除けば、文鳥には原種の色合いしかいなかったので、消費者も生産者も、文鳥(ブンチョウ)と呼ぶだけで済んでいた。
 おそらく、明治初期、1870年代に現在の愛知県弥富市の繁殖農家の文鳥に突然変異が起きて、白い文鳥が誕生し、繁殖農家の尽力で徐々に個体数を増やした結果、文鳥と白い文鳥の2品種となった。新品種の白い文鳥は、『白文鳥』として日本全国に流通して人気を博し、漢字表記を漢文の流儀で音読みされ(例えば人名でも『博文』さんを「ハクブン」さんと読む)、「ハクブンチョウ」と呼ばれるケースが重なり、それが次第に定着した。
 しかし、文鳥と白文鳥の2品種時代は、短期間で終わる。なぜなら、白文鳥を繁殖させれば、必ず白い差毛の多い文鳥が生じ(弥富系統の場合)、需要の大きな白文鳥を増やせば、それに伴って白い差毛の多い文鳥も増加せざるを得ない(弥富系の白文鳥の場合、白と白の間からも3羽に1羽は桜文鳥が生まれ【遺伝的に孵化前に致死してしまう】、白と桜では半分が桜文鳥が生まれる)。結果、本来の原種的色合いの文鳥は、白い差毛の多い文鳥に取って代わられることになる。一方で、白い差毛のない野生の文鳥の輸入も続くので、文鳥の品種は、白文鳥、白い差毛の多い文鳥、白い差毛のない輸入文鳥の3つとなる。そこで消費サイドでは、白い差毛の多い文鳥をおそらく見た目の印象から桜(さくら)、輸入文鳥を飼い鳥として慣れないため並に劣る意味で並(なみ)、の呼称を与えて区別するようになった。そして、この2品種と対置する読みとして、白文鳥を白(しろ)と呼ぶケースも増えた。
 市場で3品種が扱われるようになっても、繁殖に適さない野生文鳥(=並文鳥)は生産者サイドでは無縁な存在のため、生産者としては、高価で売買される白文鳥(ハクブンチョウ)と、色のある安価にしか売れない文鳥の2品種のみの認識であり続ける。そして、市場では桜文鳥と呼ばれ始めた白い差毛の多い文鳥を、価格的に駄目な存在として、駄文鳥(ダブンチョウ)と呼び、「ハクブン」「ダブン」と対置して使用するようになっていた。
 一方で、駄文鳥という用語は、消費サイドにおいて、飼育環境下での繁殖が難しい、繁殖が駄目の意味で、並文鳥の別称ともなってしまい、生産者サイドが価格的に「ダブン」とする桜文鳥と混同されるに至る。結果、白文鳥とは兄弟姉妹の関係の桜文鳥を、飼育下で繁殖が困難な野生文鳥と同レベルに論じる1926年の飼育書のような誤認識が一般化した。
 
  このような経過をたどったであろうと、私は推測しているのだが、これだけでも、1870年代から1926年まで、ざっと50年の歴史となる。そして、昭和初期、第二次世界大戦をはさんださらに50年、1970年代まで、こうした明治大正期の固定概念を抱えつつ推移したが(桜文鳥の方が繁殖はうまいとか、いろいろそれぞれの主観で好き勝手書かれる)、野生文鳥の輸入が減少し、新たな品種が出現し、また、ペットの多様化が進み、さらに人間側のペットに対する考え方が変容し(観賞する物→飼育するペット→一緒に生活するコンパニオンアニマル)、新たな時代になってきたものと見なせる。
 変容の50年も、2020年代に終わるはずなのに、いまだ明治大正期の「尻尾」など生やしているようでは困る。次の50年も、文鳥の歴史が続いていくようにしていきたいものだ。





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Last updated  2015年07月05日 22時40分31秒
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