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ジルコニアの気まま日記

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ジルコニア5519

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天衣無縫傍若無人なトークで、リスナーをはじめ、スタッフと相方すらも圧倒する噛み様『風音様』と風音様をはじめ、ゲストやスタッフが投げかける、どんな球も打ち返すそのトーク力で番組を牽引する『荻さん』がメインパーソナリティーのインターネットラジオステーション『音泉』でNO.1の人気を誇る番組っす↓


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2017年11月25日
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 「油断しました・・・まさかあそこからファイアボールを唱えてくるとは思ってもいませんでしたよ」
 「ふふ、今ので右手は使えなくなったんじゃないのかな?」
 「確かに、今の一撃はかなり痛かったです。ですがまだ、左手が乗っています。剣が握れればなんら問題ありません。それに、ダメージという点では貴女も今の攻撃はそれなりに効いたのではありませんか?」
 「ふふ、そうだね・・・今のは、ちょ~っと痛かったよ」
 横腹の肉を少し食いちぎられたけど、まぁ・・・まだ大丈夫。
 それに、今ここで弱みを見せたら一気に持ってかれそうだからね。
 アシュタロトは左手に握ったレイピアを強く握り直し、こっちに向かって間合いをつめてきたよ。
 間合いを詰めてきたアシュタロトの攻撃は単調なモノ。1・2・3、1・2・3。
 左右に振りながらその合間に突き攻撃を繰り出してる感じ。
 ん、確かに突きのスピードはそこそこに速いみたいだけど・・・
 その左右に攻撃を揺さぶる時のモーションにちょっとした隙がある?
 後ろに移動しながらアシュタロトの攻撃を避け、反撃するタイミングを見計らってみようかな。
 とりあえず様子見に徹してみたんだけど、それでもアシュタロトは攻撃の手を変えることなく、同じように単調な攻撃を繰り返してきたよ。
 「どうしたのですか、ただ避けるだけでは私は倒せませんよ」
 攻撃を繰り出しながらそう彼が口を開いた瞬間だったよ。
 ちょっとレイピアの繰り出すタイミングがずれたところを狙って私はゴッド・オブ・デスを振り上げアシュタロトのレイピアを思いっきり上に跳ね上げた。
 キーン!
 「し、しまった」
 トスッ。
 レイピアを弾かれ、その弾かれたレイピアへ視線がいった瞬間私はゴッド・オブ・デスの冷たい切っ先をアシュタロトの首元へとつき立てたのだった。
 「これで、勝負あったね」
 「ゴクリ・・・」
 一瞬の隙を突かれ喉元に冷たい刃を突きつけられたアシュタロトは一筋の冷や汗を流し喉を鳴らしたよ。
 「ふ、ふふ。流石ですセラフィム=ライト。まさか一瞬の隙を突き勝負を決めてくるとは、やはり貴女は私の想像以上の力をお持ちのようだ」
 「なんか手を抜かれてたように感じたけど、キノセイかな?」
 「そのようなことはありませんよ、初めにも言いましたが、貴方相手に手を抜いて勝てると思っている程うぬぼれていません」
 「いや、それよりもなんかわざと負けた感を感じるんだけど」
 「キノセイですよ。そのようなことをして、私にどのような得があるのでしょうか?」
 まぁ、確かにそうだよね。アシュタロトがわざと負けたとして、彼にとってメリットがあるとは到底思えない。
 「まぁ、いいでしょう、今回は潔く私の負けを認めましょう」
 「その言葉、信じていいんだね?」
 「もちろんです。私は嘘はつきません」
 そう口では言ってるものの、一応警戒しつつゴッド・オブ・デスを背中にかけると、アシュタロトは自身の目の前で指を軽くくるくると回したんだけど、そうするとポンッ!って何か一枚の紙切れが現れたよ。
 「何かな、その紙は」
 「これは私とセラフィム=ライトの誓約書ですよ。誓約書」
 「誓約書?」
 「はい、勝負を始める前に言いましたよね?貴女はこの勝負に勝ったら私に世界を征服だったり侵略するような行動をやめさせ、手を取り合い共存の道をたどりたいと。その内容が記されている誓約書です」
 「ちょっと確認いいです?」
 アシュタロトの出した誓約書をゲティンが、じ~っと真剣な眼差しで隅から隅まで目を通してから、驚いたような表情を浮かべつつ私の方へ手渡してきたよ。
 「驚きました・・・この誓約書本物です。今後魔族は地上世界・天上界に対して侵略行為を行わない。そして、その逆。地上世界・天上界の民も魔界・魔族に対する一方的な殺戮を行わず、共に歩み共存することを誓うという内容が書かれています」
 「この誓約書には特殊な魔法が掛けられていますので、ここに私とセラフィム=ライト。2人の署名が入った瞬間からこの誓約書の内容は確実に履行されます」
 サラサラサラッと。
 私とアシュタロトが署名をすると、誓約書は自ら発光をはじめ、そして2つに分裂すると私とアシュタロトの手元にそれは落ちてきたよ。
 「ありがとうございますセラフィム=ライト。これにて私とセラフィム=ライトの誓約は履行され、これで私たち魔族は地上世界にも天上界にも手出しできなくなりました」
 負けたはずなのに何故かニコニコとしてるアシュタロト。何でこんなにも協力的なの?もしかしてアシュタロトも実は心の奥底では、こうなることを望んでた?
 でも、だったら何で私達を亡き者にしようとゼウスまで使ったのか・・・
 ん~・・・わかんないなぁ・・・それに最後の攻撃、アレどう考えてもワザと私に攻撃をしかけさせる為に隙を作ったようにも見えるし‥‥
 「どうしたんですかセラ?」
 「あ、ううん。なんでもないよ何でも」
 「さぁ、用事は終わったんだ。とっとと帰ろうぜ」
 「えぇ、まずは天上界へ行きゼウスに報告しましょう」
 こうして、魔族の王であるアシュタロトと共存する道を選ぶ、ということで誓約を果たした私たちはイブリース城を後にしたのだった。

 第78話 こんなあっさりでいいの? その2.終わり 
 最終話     妹勇者冒険譚    へ続く





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最終更新日  2017年11月25日 04時32分59秒
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