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カテゴリ:ことばのスナップ
ある日本人ビジネスマンの話。ブラジルに転勤になってすぐの頃、ちょっとした怪我をしたそうだ。ガーゼを買おうと思い薬屋に行った。さて、なんと説明したら解ってもらえるだろう・・・と悩みながら、ポルトガル語と英語の単語を混ぜて、「怪我、巻く、白い布」とか言って見たそうだ。すると店員は「オー、ガーゼ gaze」と言って、すぐに持ってきてくれたという。なんだか悔しかったと、笑いながら話してくれた。
それとは逆の、これは私の体験。日本語の初級クラスのブラジル人。「スポーツは何が好きですか。果物は何が好きですか。」という会話練習のとき、質問しても返事が無い。 「好きな果物はないの?」 「あります。でも、日本語の名前を知りません。」 「ポルトガル語で言ってみて」 「カキー caqui です。」 この答えに、教室は大爆笑だ。カキ(柿)は日本人がブラジルに持ち込んだ果物だ。市場にもスーパーにも並んでいるし、高級レストランのデザートメニューにもある。ブラジルの果物だと信じてしまったのも無理ないかもしれない。はるばる日本に来たブラジル人が、店先に並んだ柿を見て、ふるさとを懐かしむというのも、不思議でそしてほほえましい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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