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カテゴリ:ことば
高2の公立高校クラスは、わたしにとって驚きの連続だ。英語の
筆記体を習ったことがない、というのも驚きだったが、「英語は 暗記科目だからぁ・・・」というのにもびっくりした。 学校の教科書とノートを見せてもらった。読解の教科書には何も 書き込みがない、きれいなものだ。実は教科書をコピーして、ノ ートの左側に貼り付ける。余白は単語欄になっていて、教科書の 下に並んでいる新出単語をあらかじめ書いておき、授業中に先生 が言う訳を書き込んでいく。右のページには、べったりと日本語 訳が書き込んであって、「自分で訳すの?」ときくと、「できる 子だけ」と言う。自分ではできないから、授業中に必死で、できる 子や先生の訳をノートするらしい。そしてこのノートは提出させ られるので、書けなかったところは、友達のを写しておかないと いけない。先生が訳したとおりに書かないと後で困るということ で、「ここ何て言ってた?」と言いながら、英語は全く見ずに 書き写している。 「それから?」 「テストの前に、全部暗記します。」 「復習は?」 「へ?」 予習はコピーと単語を書き写すだけ、復習はなくて、テスト前の 丸暗記だけ、英語はほとんど読んでいないじゃないか?! 次に、文法の教科書も見てみる。例文や解説部分に、カラフルに マーカーで印がつけてある。練習問題には答えが全て書き込んで あり、これにもマーカーで印がついている。 「ふむふむ、大事なところはちゃんとわかってるじゃない」 「先生が言う場所に線引いてるだけぇ~」 「練習問題は、予習していくの?」 「先生が答えを言うから、書くだけ。」 「復習はするんだよね?」 「へ?」 「なんのためにマークしてるの?」 「テストの前に覚えるためだよねぇ~」 オーケイ。このクラスは、ここからスタートなんだ。これは私に 与えられた大きな試練なんだ! というわけで、春期講習のテキストは半ページだけでストップ。 その後、復習のシミュレーション。 「家に帰るでしょ?明日も春期講習で英語があるから、きょうの うちに復習しないといけないよね?このテキストと、さっき書き 出した単語のノートを広げる。あとで~~なんていわないで、 すぐ広げる。寝る前にやろうなんて言ってちゃダメ。眠る直前に 英語の勉強すると、眠ってる間中英語を考え続けることになるから、 寝る前にはもっと楽しいことを考えてから眠るように。英語は、 ご飯おわったらすぐ復習しようね。」 「ここんとこを全部読んでね・・・」 「ここも、ここも?」 「そう、それもこれも、今日やったとこ全部。」 「わかった」 「そして、授業中にわたしが言ってたことを思い出す。もしも 全然思い出せないことがあったら、明日質問するために、別の 色でマークしておくのよ。「じな♪さん、ここ、覚えてなかった」 って言ってくれたら、もういっぺん説明するから。」 「ほぇ~」 「もういっぺん聞いたら、「ああ、なんだ、それ覚えてるわ」 ってなるからね、時間はあんまりかからないよ。いい?ちゃんと 読んで、思い出せなかったらマーク、それが復習、OK?」 「うん、わかった~」 楽しそうにおしゃべりしながら教室から出て行くその後姿を見送 りながら、深い不安の淵から高い山の頂をながめている気分にな った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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