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かえで出版制作日誌。

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2009年12月15日
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カテゴリ:今思っていること
で、それが私のいう仕込みなのであるが、当然成功させなきゃいけないのだけど、成功したら今後も有用可能なビジネスモデルとして浸透しなきゃいけないと思っている。つまり出版社も、読者も、サイト運営者もメリットを享受でき、今後も崩れていかないようなインフラ(モデル)をつくらなきゃいけない。最初成功しても、他社がすぐに使えないものになってしまっては意味がないのだ。仕組みを変えるには、他社も利用可能な分かり易いモデルである必要がある。

条件を少なくしてシンプルにしながら、カラーのはっきり打ち出すことによってモデルというのは普及するものだと思っている。
このモデルはBtoBの連携によって成り立つので、それほど関係は強固になりにくいだろうと私は予測している。私の理想としては中小企業が容易に参入できるモデルであることが普及を推し進めるための筆頭条件となる。

でそのモデルとして考えているのが、インセンティブ契約を結ぶというものだ。
サイト運営者に売り上げの何%かをお支払いするというものである。Amazonなどのアフィリエイトではなく、出版契約(印税)に限りなく近い形態のものである。これであれば、出版社は初期投資を抑えてプロモート活動を行うことができる。またサイト運営者もインセンティブ契約の方が、広告ではなくコンテンツに対して意識が傾くので、作品を厳選することができる。つまり、つまらない作品を排除できる権限を持つことになる。ちなみに広告業というのは、大手代理店の寡占になっていて、値段があってない。TV、新聞、雑誌など、ある程度単価が決まってしまっていて中小出版社はなかなか手が出せるものではない。中堅であればなんとか出せるだろうが経営者クラスの判断が必要となるはずだ。好況時にはそれで良かったのかもしれないけどこの不況時ではなかなかプロモートには手を出せないのが現状ではないだろうか。しかしこのインセンティブ契約は売り上げに応じて支払うもので、つまり費用対効果がかなり正確なものとなり、信用と実績を徐々に積み重ねられるのだ。これほどクリーンな契約はあまりないのではないだろうか。
つまりサイト運営者、出版社双方が互いに正当な利益を享受できるシステムだと私は考える。

このモデルはそのまま契約要項になるので、以下にこのモデルの要点を書いてみた。

1:サイト利用数、読者数とその動向データの把握。
2:正確な実売部数データを提供してくれるかどうか。
3:手付け金(着手料)の必要性
4:インセンティブ契約の%の決定。
5:契約期間
6:掲載期間
7:掲載範囲

こんなところだろうか。
1と2は信用と信頼の問題である。
もし効果がでているかどうか分からなかったり、あるいは、どちらかががデータを虚偽申告したりすることがあった場合、今後も取引したいと思うだろうか? ということを考えれば、双方がデータを提供しなければこの契約は成立しないし、双方が正しいデータを要求すべきである。たとえば、もし一社でも支払いを減らしたくて虚偽申告しそれがばれてしまうと、出版社全体の信頼に関わると思っている。そうなれば出版業界そのものが相手にされず、このビジネスモデル自体なくなる恐れが出てくる。

3は、契約の履行性の問題である。手付け金があるのとないのとではやはり意識として異なるのではないかと思っている。これはつまりプロとアマチュアの違いであって、プロであればお金を頂いた以上履行する義務が発生する。BtoBのビジネスモデルとして普及させていくには、何らかの形で手付け金の必要性は感じている。もちろんインセンティブ契約が基本であるから、支払える範囲、つまり初版部数から計算していくのが良い方法ではないかと私は考える

4は、つまり利益の配分の問題である。著作権者の印税より多いのか少ないのか? 基本的にサイト運営側の割合が多ければ、出版社の負担は大きくなってしまう。少部数では売り上げが期待出来ないため。またサイト運営者側がコンテンツ(作品)を選べる権限が弱くなっていくことが考えられる。つまりパーセンテージを上げてしまうと大手しか挑戦できないし、つまらないものでも連載される可能性が出てくる。

また文化として成立させるのであれば低い配分にして、出版社の参入を増やし、コンテンツの量を増やしていく方向に持っていくことが必要であると考える。量が増えれば、サイト運営者側の収益の安定化が可能となるし、量が増えることによって良い作品つまりヒット作品が自然に生まれやすい環境が出来上がる。ちなみに私は1~4%の間が良いのではないかと思っている。もちろんこの場の発言で限定するのはかなり危険であるので、売り上げ予測等を勘案して判断すべきだ。

5は、まあインセンティブ契約の終了期間である。これを設けることによって50年ある著作権との差異化が生まれる。つまり出版社や著作者にとって納得出来る契約内容になる。

6は、基本的に契約期間と同時である。契約期間が終了したら、サイトから削除してもらう。Googleのキャッシュに残ってしまうけれど連載(作品の分割化)によって通読が困難となり、タダ読みを回避できる。

7は、かなり肝となると思う。今まで大手がやってきた一部分のみのネット掲載では効果が期待出来ないと私は思っている。すくなくともその方法によってヒットになったという作品を耳にしたことがない。文芸以外のジャンルは別で構わないけど(情報そのものを扱っているのと書店利用のメリットの方が大きいので)、文芸は全編読めるようにならないとこのモデルの成功(普及)はないと思っている。

ちなみになぜ私がこういうことを書くかというと、いちおうこのブログは未来から記事を遡って来る出版関係者の方にも読んでもらうつもりでいて、もしこれが成功した場合に安易に真似をされること防ぐためである。(真似をされる分には全然構わないというか、真似をされるためにこれを書いている)もし掲載範囲が一部だけだと読者にたいしてネット連載自体に悪印象を与えてしまい、このモデルが上手く運用されなくなることを恐れているのだ。だから、やるからには是非全編掲載を前提にしてやってもらいたいと私は思っている。再度言っておくがこれは文芸ジャンル限定の運用であって、それ以外のジャンル場合は、一部掲載でも全然構わないし、それなりの効果は上がると思っている。

あとどうしてわざわざサイト運営者にお金を払って掲載してもらうのか?
これについても書いておこう。この辺は私も迷っているのだが、サイト運営者は実は私が言うことではないのだが、十分に収益が確保されていないからだ。つまりコンテンツに掛ける経費が少ないかゼロに近い状態であることが理由である。有名作家の作品だから、掲載させろ、そしてお金を払え、というのは無理な話なのだ。大手の出版社であれば、資力が十分にあって掲載料も払えるし、作家を抱えることはできたのだが、もちろんそれが健全な方法だと思うが、現状ではそれは期待出来ない。であれば出版社の持つ収益モデルのパイプをサイト運営者に繋ぐことができれば、同等のことができるのではないかと思ったのだ。むろん将来、サイト運営事業が大きくなって、作家に支払えるようになれば、それはいいことだなとは思っている。ただそれは雑誌文化の終焉も意味するので寂しいことではある。

とりあえず今書いておきたいと思ったのはこんなところかな。


実はこれほど詳しい話ができるのは今上記の件について交渉中だからだったりする。だが、まだ実現段階ではないので(もしかしたら消える可能性だってある)、いろいろとはっきりしたことは言えなくて申し訳ない。もちろん評価するのは結果が出てからで構わない。いわゆる試論として今はご理解頂きたいと思っている。


ちなみに、今日お会いした交渉相手の方は本当に良い人だった。いつものように喋りすぎてしまったのだが、私の話をちゃんと聞いてくれて、お互いによい方法を探ろうとしてくれているのが伝わってきた。そういう交渉のプロセスの中でいろいろと勉強になることもあり、良かったなと思っている。で、事前にこのブログを見てくれていたというのである。本当にありがたいことである。

乱文失礼。





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最終更新日  2009年12月15日 21時22分51秒
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