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かえで出版制作日誌。

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2010年01月15日
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カテゴリ:活動日誌

 今日は私の出版の先生に見本出しに連れて行ってもらった。ちなみに見本出しというのは、版元が取次に行ってこういう本を作りましたので、全国の書店に卸してくださいとお願いすることを言う。

 本当はトーハンの見本出しに連れて行ってもらう予定だったのだけど、地下鉄で事故があったためトーハンには行けず、急きょ予定を変更して日販につれてってもらうことに。初めての取次訪問。初見の印象を申し上げると、役所みたいで、エレベーターでフロアに上がるとずらっと受付が並んでいて、各出版社の営業担当の方達が、床屋みたいにフロア手前にずらっと並べられた椅子に座りながら順番待ちをしている姿がみえた。先生につんだって最後尾の椅子に座ると、私の目の前で、出版社の人が入力用のPC端末を隔てて取次の見本出しの受付の会話をしている。どんな会話かはよく聞こえない。広いオフィスだったけど、幾分忙しそうな事務的な雰囲気が漂ってもいた。ちなみに私はおのぼりさん気分で、あんなところに超有名作家の書店に並んでいない新刊があるー、と内心興奮しつつ静かに観察していた。もちろん後学のためにといろいろと質問したりメモをとったりもする。それから約15分くらい順番待ちをして、私たち(先生)の番になったので、私は隣でその会話を聞いた。どの地域を重点的に本を卸したいのか、この本のセールスポイント、製本所、また希望部数を申告していく。担当の方がキーボードをピコパコ打ったり、メジャーで本のサイズを細かく測ったりしていた。受付の方は私と同い年くらいかな。ちなみに希望部数を申告しても、出版社の希望は通ることはあまりないのだそう。もちろん多ければたくさんの書店に並ぶ可能性があるわけだけど、まあ多ければ良いというわけでもないので(返品が増えればそれだけ出費が増えるわけで)、そこはプロの取次さんに判断してもらうのが一番。とりあえず今回は5分くらいで受付終了。で、一応要望を言って後日搬入の部数が決定するとのことだった(その後、搬入、書店に届けられるという流れになる)。 まあ、今回はざっとこんな感じ。本当に貴重な体験をさせてもらいました。

ちなみに、この搬入部数がいろいろと今後の私の出版計画において目下懸案事項だったりする。自分で管理できる範囲でやらなきゃいけないので、あまり部数多すぎても駄目で、また少なすぎてもいけないわけで目下悩みどころなのだ。ちなみに、部数多くするには、書店営業をたくさんして事前注文をとってきて、それを取次の方が評価してくれて多めに搬入してくれるのだそうです。(そうするとその書店には確実に本が届けられます) ようするに役所に行って転入届(あるいは移民手続き、出生届)を出しに行くもんだと思っていただけるとイメージしやすいかもしれない。この手続きを済ませることによって、取次の運行中のデータベースに保存され、そしてamazonに書誌情報が登録されたりして、商業出版物として正式に認知されるという運びになるわけである。(正式にその土地の住人になるということ) 

ちなみに私が最初に想像していたのは、取次の方に見本出しの時、作品を読んでもらって、おおこれはすごい作品だー、これは我が社が全力で販売支援しますよなんて太鼓判をだしてもらえる感じのことを想定していたりしたのだけれど、5分のやりとりの間で、作品を読んでもらうことは不可能な訳で、むろん取次の方に良い作品かも判断してもらう事は出来るわけがない、つまり上記の想像は妄想に過ぎないとようやく理解することが出来た。たぶん関係者からは笑い者になるようなことを考えていたわけだ。(たぶん他にもそういうことは一杯あると思う) 

 ようするに、口コミでコツコツ売っていくしかないのである。当たり前のことなんだけれど、こういうことを一つ一つ知っていくのは面白いと思う。

 

 出版は難しいとか先がないとか言われている。たしかにその通りなんだけれど、私はまだまだ大丈夫だろうと思っている。なぜならこの取次のシステムがあるかぎり、本は書店に供給されていくからだ。いくら出版不況だといえどもこのインフラが破壊されるようには到底思えないのだ。出版社が業界再編、淘汰されようとも、基本的に取次は無傷なのだということを忘れてはいけないと思う。もちろん出版業界が縮小すると必然的に書店業界も縮小されてしまうわけだから、頑張らなきゃいけないのだけど。

なくなるわけがないのだからとりあえず落ちるところまで落ちて業界が再編されて、新しいスタートを切った方がよいと思うのだ。もちろん紙にこだわるのではなく、WEBなどその他のコンテンツ産業に活路を見出す時期に来ているのかもしれないけど。

また何十万部も当然のように売れる時代のようなことは期待しない。面白いと思うものをこの世に残していきたいと思っている。

突然だけど、ここで一句引用。

泣かぬなら泣かせてみせようホトトギス


三大武将の性格を言い表した言葉なのだけれど、昔っから共感していたのは豊臣秀吉なのだと気付いた。まあ世間の印象はすこぶる悪かったりするので、それに倣って人格自体は好きになれなかったのだけど、他の二人よりストーリーがはっきりしていて好きだった。なんというかエピソードに事欠かないというかね。まあ秀吉だけじゃなく、事業を成長させて行くには信長や家康みたいにもなる必要があるわけで、そういうことも、ちまちまと勉強中なのかな。目下家康の気分を味わってみたり。今のところ信長になるときはないのだけれど、今後そういうことはあるだろうか。まあ人を雇えるようになってからだね。今のところ夢のまた夢。

 

最後にご報告。あまりはっきりとお伝えできないのですが、いちおう私の出版はなんとか出来そうな感じとなりました。このあとまたたっぷり時間をかけて、営業、装丁、とその他諸々の準備を整えていって、よっぽどのことがない限り(極端な話私が事故病気になったりしない限り)、出版という運びとなります。また忙しくなりそうです。

よろしくお願いします。






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最終更新日  2010年01月15日 20時41分47秒
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