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かえで出版制作日誌。

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2010年01月17日
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『いじめはなくせる』大西隆博著(アニカ)


 本書は子供ではなく、大人が読むべき本である。いじめられている子供の親が助けを求めて読むような本ではなく。いじめている側の子供が危機感を持って読むべき本である。いじめを苦に自殺する少年少女の姿をときどきテレビのワイドショーで眺めながら、過ごすのではなくて。もしイジメについて考えたことがあるのなら、是非本書を手にとって頂きたいと思った。

 私の出版の先生が今度出される本ということで読ませてもらった。
 最初は何も考えずに読んだのだけど、面白かった。考えさせられた。自分の昔のことを振り返った。ずばりタイトルの通り、どうやったらいじめをなくせるのかについて書かれているのだけど、何度も頷いた。学校を卒業してしまうとイジメというのはほとんど考えることはなくなってしまうものだけど、だからこそ見過ごしやすい問題なのだなと、それまで考えようとしなかった自分、そうなっている社会に危機感を持った。大人でも職場でイジメ行っている人間はたくさんいるのだ。精神病患者叩き、浮浪者叩きしている人間がネットときどきいるけど、ああいう人間こそ異常だと私は思っている。

 橋元知事のように成績ばかりに主眼にするのではなく、どうやって多くの子供達が幸せに生活することが出来るか、そういうことを政治家の人達にはよく考えてもらいたい。ここでいう"幸せ"というのは子供に楽をさせることを言うのではなく、目標を持って生きる事。お互いに助け合いながら生きる事。それを与えるのではない、それは動物園と一緒。人間を育てる学舎(まなびや)は幸せとは何かを知り、かつ方法を吸収し出来る人間にすることだ。そもそも、ただ幸せをただ享受するだけの状態は、芯がないので本当の幸せとは言わないと思う。

 そして幸せな幼年時代を知っている子供たちが、将来の未来を幸せにしていくのだと私は思っている。

 人間としての品格を持ちたいのなら、イジメはやめなきゃいけない。その次は人を傷つけないよう気をつけて行動する。その次は陰口をやめる。次は周りのことを考えて行動する。自分の意見を主張する。自分を守る術を身につける。目標を持って行動する。助けを求めている人に手を差し伸べる。傷ついている人を守る。
 そういうことを子供達に一つ一つ教えて行かなきゃいけない。しかしそんなの大人だったら知っていて当たり前のこと。イジメが悪いことなんて、大人になってからでも十分気づける。けどそれじゃ遅い、現状を変えることが出来ない。(だから昔はワルだった、なんてちっとも格好良くない。当たり前のことを言っているだけだ)過去、誰かをいじめていた記憶を持つ人は、恥ずかしくて言えない人が多いんじゃないだろうか。ちなみに私もそういう記憶を持っている。人間としての品格なんてないに等しい人間かもしれない。だからこそ私はこの本を読んで考えさせられたのだと思った。

 いじめは、いじめっ子、学校、家庭、地域によって起こる。そして、いわゆるいじめられやすい子がターゲットになり被害を受ける。本書の著者によると原因、加害者と傍観者、環境因が全てでありその根本を叩くべきだと言っている。言ってみればイジメって言うのは猿社会でもあるわけで、集団社会においては生物学的に考えれば、放っておいても自然発生的に起きてしまう。ちなみに本書は、ストレスがあると人間はイジメを始めるのだそうだ。そしてそれは防ぐことが出来るのだと必死に読者に向かって説いている。私は読み終えて全くその通りだと思った。

 人間として一番醜い行為が、いじめや人を傷つける行為であることに子供達は気付かなければならない。私たち大人達が気付いただけじゃ仕方がない。それじゃまったく意味がないのだ。それをいじめる側の子供達に教えていくことが必要なのだ。それは教師だったり、いじめっ子の親だったりする。そういう風に言うと専門家や役人はすぐに専門のカウンセラーを用意しなければならない、と事を大きくして、ますますいじめっ子にストレスをかけてしまうかもしれない。どうやっていじめっ子に恥を欠かせないようにするのか。イジメが悪いことだということ、イジメは人格破綻者が行うことだということを、ストレスを与えないように考えさせるには教師側の配慮が必要なのだ。その点について本書の著者大西さんの言葉には教育現場のプロらしい、専門家の意見とはひと味違う説得力が私には強く感じられた。
 また多くは現場の目線によるもので、おそらく現職の教師の方に向けて書かれた本だと思うのだけど、私は家庭を持つ人にも本書を手にとって読んでほしい作品だと思った。
 まず、お子さんがいるのなら、自分の子一人一人にイジメをしていないか訊いてみることから始めても良いと思う。そういうことを話したことがないのなら、一度子供ととことん話し合っても良いと思う。もしそこで自分の子供がイジメをしていることが分かったのなら、そのことをいじめられている子供とその親に謝罪するくらいの覚悟は当然必要かもしれない。
 あるいは自分の子供のクラスでイジメが行われてるのなら、子供の親に連絡をとって、イジメが行われている事実を両者の親に伝えても良いかもしれない。きっと子供は恥ずかしくて親に言えないだろうから(ちなみに私がいじめられた時はそうだった)、代わりにその親に伝えて上げるべきだ。また助けられることがないか探してみる。
 もし自分の子供がイジメをしていたら、自分の子の前で親がいじめられた子供に謝罪する姿を見せるべきだと思う。というところまでやっても良いのではないかと思う。そうすれば二度と自分はイジメをしようとは思わないはずだから。
 そうやって何が正しいことなのか伝えることを親は身を以て教えていく必要があると私は思う。なんとなく選挙に投票に行って政治に参加した気分になるのではなくて、自分たちに何が出来るか考える。私はイジメっ子が生まれる要因は教師ではなくて、親の教育の問題だと思っているので。だからこういう大西さんのようないろいろと頑張っている方をいるのを知ると純粋に凄いと思ったし、尊敬に値すると思った。

 私の学校生活を振り返ってみると、いじめられたこともあったし、またいじめのようなことをしたこともあった。(といっても恐喝まがいのことをしたことはない)そして、たくさん良い思い出をもらった先生もいたし、印象の良くない先生もいた。けど、ほとんどの先生は学校のことを考えているなと思っていたし、また良い教師、悪い教師関係なくイジメはあったように思う。ちなみに印象の悪い教師を思い出してみると、大概、熱血な人だったような気がする。よく子供同士のケンカやイジメに干渉してくるので悪い印象を持つことが多かったように思う。何が嫌だったかというとよく怒鳴ってくるのだ。けどイジメが解決したかというと、そういうこともなかったな。逆に朗らかで、明るかったり、竹を割ったような性格の教師は、たいがいイジメをきちんと扱わなかったような気がしないでもない。子供達にイジメを悪いことだと認識を改めるまでに至らなかった点で物足りないなと思ったし、良い印象を持っていた教師は、逆に、見ないふりをしていたのかなと思えなくもない。といっても責任と義務を教師の方ばかりに負わせては、教師にもストレスを与えてしまって、イジメっ子を発生する要因を作りかねない。

 また家庭を持つ人も忙しくて子供に構っていられないという人もいると思う。子供のことは奥さんに任せっきりの男親は今でも多いと思う。自分の子供のことなんだから、あんたには関係ないことだと思う人も多いと思う。そんなことばかり考えていたら、ますます結婚しない、子供を作らない若者が増えることになるかもしれない。
 けど現職の教師の方や家庭を持つ人が、自発的に考えてもらうように、社会全体で多くの人が一緒に考えられたらと私は思うのだよね。
 世の中には、障害を持って生まれてくる子供がいて精一杯育てている夫婦もいる。または子供を産めない夫婦だっている。片親で子供を育てなきゃいけない人もいる。こういう人達はテレビでは大概排除されるから気付かない人は多いと思うがそれが現実なのだ。
 健康な子供を育てている家庭というのは非常に恵まれていることなのだ。金銭的には測ることは出来ないけれど、子供は社会の財産。生まれてきた赤ん坊は、子供の期間を過ぎて、社会に奉仕するために生きていく。早く子供を精神的に大人にさせなければならない。最初の方にも言ったけれど、幸せに生きる方法を知っている子供は、これからの社会を幸せにすることが出来ると思っている。

 イジメって言うのは本当に初歩的な問題でこれが解決したら終わりじゃないけれど、これに打ち勝った人間は強くなれる。
 こんなことを言うと、若い頃には苦労させるべきだと言う意見が出るかもしれないけど、そういう助け合い社会じゃなくなったから、こんなにも自殺者が多い社会になったり、ニートが大きな社会問題になる社会になったんじゃないだろうかと私は逆に言いたい。やろうと思わなきゃ出来ない。


 中学生のイジメは結構根深い。いくら小学生の時にイジメが悪いと分かっていても、また元に戻ってしまう可能性がある。非行の問題と密接に繋がっているから現職教師でも対処出来ない場合が多かったりする。ただ彼らも、幼いように見えて賢しらな部分もあって、社会のことをよく分かっている。彼らの多くは大人に願望を抱いて、ただ真似をしているだけなのだ。TVのタレントの動向が気になるのと同じで、非行漫画は流行ったときは、非行に走る少年は多かったし、ネットが流行り出した時は、ネットを使った陰湿なイジメが流行した。社会の影響を最も敏感に反応するのが中学なのだ。中学は人間社会の縮図なのだ。大人が変わらなければイジメはずっと続くと思う。本当はマスメディアや地域社会が揃って考えなきゃいけない問題。まだ続くのかな? そろそろ根本的な解決に向けて動くべきじゃないだろうかと思うのだよね。まずは、考えるきっかけを与えてくれた本書の著者大西隆博さんに感謝。そして良書を私に提供して下さった先生に感謝。

こんなところで私の意見を終えようとおもう。

他にも色々と活動されている様子なのでくわしく知りたい方はご本人のブログへどうぞ(どうやら選挙に出られるようですね)。

また本を読んで考えてみたいという方はこちらでどうぞご購入を検討下さい。

 

それでは。

 






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最終更新日  2010年01月17日 16時15分02秒
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