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かえで出版制作日誌。

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2010年03月28日
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カテゴリ:活動日誌

寒い。なんでこんなに寒いんだろ。手袋せずに出かけたら手がかじかみました。
今年はもしかしたら冷夏になるかもしれないと思いました。

で昨日出がらし状態と書いたけれど、とりあえず復活しました。本屋に行きました。ちなみに私がよく行くのは豊洲のララポートの紀伊国屋書店です。春商戦なのかよく分かりませんが新刊ラッシュでした。しばらくちゃんと見ていなかったのでちょっとびっくりしました。でなんで復活したかというと、良いなと思える本が見つかったから。装幀なんですけどね。素敵だなというか、私ももっと頑張らないとなというか、新しい本に囲まれてしぼんでいたイメージがまた大きく膨らんできたんです。ジャケ買いならぬ装幀買いっていうんでしょうか。あらすじもタイトルも作者名も帯文も読まずに買っちゃいましたよ。値段は少々張るけれど、でもたぶんこれが単行本の醍醐味だと思うんですよね。こういう装幀だったら本棚にずっと置いておきたくなるような、インテリアみたいな要素って書籍にはありませんか。そういう保存しておきたい意味で買いました。

で今回その装幀買い(想定外?)した三冊を、せっかくなのでご紹介させていただきます。装幀そのものを見てほしいので表紙イメージ画像は載せません(まあめんどくさいのもあるんですけど)。よろしければ書店でお手に触れてご確認いただければと思います。

 

一冊目は

オー!ファーザー 伊坂幸太郎さん 新潮社
装幀:新潮社装幀室

カバーを剥がした状態を見てほしいんですが、表紙に使われている紙が良いんですよね。単行本みたいなハードカバーではないということで選びました。ソフトカバーのような質感で、ハードカバーのようなデザインになっている。表紙が本の中身の部分よりもちょっと浮いているんですよね。チリというそうです。ソフトカバーなんだけど本の断裁面が汚れたり傷つかないようになっているんです。こういう何気ない小技が結構素敵だと思いました。表紙の紙も折り畳んであって、丁寧だし、いかにも職人が作ったって感じです。新潮社装幀室さんの実力がこの本には結集されているのではないかなと思われますね。個人的な話なんですけど私、固い表紙って好きじゃないんです。めくりにくいから。それとその分重くなるから。若干お固い印象があるのも好きじゃないです。本当に長く置いてあっても不自然じゃない普遍的なデザインじゃないかなと思います。


二冊目は

乱心タウン 山田宗樹さん 幻冬舎
装幀:米谷テツヤさん

これはデザイナーさんが作られた感じが良く伝わる凝った作りをしています。他と違うのは紙です。是非一度本屋で手にとって欲しい感じですね。ブックカバーの紙が網目状になっているんです。で奥の表紙の絵がそのカバーから透けて見えるんですね。ああ上手く考えられて作られているなと思いました。あと見返しが色違いで同じ紙を使っているんですね。ちなみにこの紙、タントセレクトのTSー7といって新しい紙で、チェックしていたんです。というか実は私もこの紙をブックカバーに使うつもりでいたんです。辞めた理由は色々とあるんですが、一つは私が出す本とコンセプトが違うと思ったから。
なんでこの本を買ったか(とりあげたか)というと、装幀に気合が伝わるからです。デザイン的には前衛的というかちょっと馴染みにくいかもしれません。でもこういう装幀ならきっと中身も面白いだろうと思ったのです。なんというのかな編集部の気合みたいなものが伝わるんです。装幀の気合度って一つの購入に対する判断指標だと思うんですよね。期待度が高いとやっぱり装幀も凝ってくるわけで、評価させていただいた次第です。


三冊目は

光媒の花 道尾秀介さん 集英社
装幀:片岡忠彦さん

こちらは完全なるプロの装幀作家さんの作品です。やっぱりデザインが凄い。花と蝶をイメージしてあります。ブックカバーそのものが素晴らしいし、帯も調和しているし、表紙の部分も金属的で、色の使い方や扉、章題、細部に亘って完璧に作られています。本屋の中にあってこの本だけが異彩を放っていました。インパクトは十分あったんじゃないかなと。もし私が装幀家として技術的(芸術的)に目標にすべき人は誰になるかと言ったらきっとこの方になると思います。本当にすごい仕事だなと感動しました


というわけで以上三冊の装幀をご紹介しました。この文章を読んだだけじゃもちろん伝わらないと思いますが(笑)、本当に刺激になった一日でした。もっと頑張んなきゃなと思いました。まだまだ下手くそなんですけどね。とりあえず目標はでかい方が良い。

 

あと発売は5月くらいになるかなと思っているんですが(というかそれでも間に合うんだろうかとちょっと不安でもあるんですが)、この新刊ラッシュは避けておいて良かったなーと思いましたね。とてもじゃないけどこれだけたくさんの新しくてウキウキした有名作家が並ぶ中じゃ、勝算もなにもあったものじゃないわけで(汗)。とりあえず初夏~夏にかけて売り出すつもりでいまして、あとあまり他の本とインパクト勝負せず、涼しそうな顔で並んでいたらよいなという感じですかね。冷夏だと長雨で、家にいる時間が増えるわけで、もしかしたら出版業界的には良いのかもしれませんよ?

ではこのへんで作業に戻りたいと思います。

 






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最終更新日  2010年03月28日 20時45分19秒
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