粉飾は“合法”?
毎月一回『会計人コース』(中央経済社)の書評コーナーのために原稿を執筆。今回取り上げたのは『粉飾バンザイ!』(フォレスト出版)。本自体はまあ普通なのですが、この本の帯に“合法的裏ワザ!”と書かれてあるのがとっても気になりました。なぜなら、決算書の粉飾はあくまでも“非合法”。この本での粉飾は銀行からお金を借りるための“赤字→黒字”への粉飾なので、税収も増えるってことで、税務調査でも文句は言われないでしょう。しかし、騙されてお金を貸すことになる銀行の立場はどうなのでしょうか?銀行から損害賠償請求されたら、まず負けますよね。ただ、次のような前提なのかもしれません。↓1.つぶれない限り粉飾はまずバレない2.つぶれてバレたとしても、社長に財産は残っていないだろうから、銀行側もわざわざ賠償請求をしてこない3.詐欺罪に問われる可能性も高いが、わざわざ警察に告発する人もいないでも、訴えられないから“合法的”っていうのも、変じゃない?一般の方は、本の帯のせいで“合法”だと絶対勘違いしているのではないかと…。