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カテゴリ:バスガイドの仕事
登別の乗務員宿で、夜も遅くなってから、火災警報機が鳴って、心臓がバクバクした。
酔っ払いが間違って押したらしい。 乗務員宿と言っても、会社が契約している普通の宿で、一般客もいるけど、今夜は、宿に入った時から、廊下がにぎやかだった。 けっこうな確率で、老人会などの宴会が入ってて、21時過ぎまではいつもカラオケなどで賑やかだし、風呂も、年寄りばかり入ってて、夜中に浮いてるんじゃないか?と心配する事もあるけど、今夜は若い団体の宴会が2件も入ってた。 1件の団体は、日帰りで、宴会が終わった後帰ったみたいだったけど、1件はお泊りだったらしい。 私たちが夕食の頃は、宴もたけなわで、酔っぱらって、両腕を担がれて部屋に移動させられてる人はいたし、廊下を歩きながら、大声で騒いでるあんちゃんたちもいた。 今夜の宿は3台の乗務員がいて、私は2台連行だったので、2人部屋。 もう1人は間もなく2年生になる1年生で、1台のお仕事だったので1人部屋だった。 酔っ払いが騒ぐのは、こんな宿だから仕方が無いし、これくらいの声や音で鳴られないようなら、こんな仕事はできないから、気にもしてなかったけど、 「酔っぱらった男が、風呂を覗いてきたらどうする?」 とか、 「見た方ががっかりするわな、ババァばっかりで」 なんて笑ってしゃべってたけど、まさか、警報機を鳴らすとは考えてみなかった。 酔ってバランスを崩して、肘で突いたのか、訳も分からず押したのかは知らないけど、他の部屋の人たちも、みんな廊下に出て大わらわ。 なかなか鳴りやまないから、余計心配になった。 なんたって、私たちが止まってる部屋は、玄関から1番遠い、長い廊下の奥の奥。 乗務員だから仕方が無いけど、今夜は2階だし、逃げるのも大変よ。 美人薄命ったって、出張先の宿で死にたくないわ。 1日しゃべりまくって疲れてるのに、こんな所で黒焦げになって死にたくないわ。 久しぶりの温泉を楽しみにここまできたのに。 2台連行で、乗務員4人のうち、霊感の強い2人がいて、休憩になるたび、宿で見たお化けの話をして盛り上がってた。 今夜の宿も出るとか。 私はここでは見た事はないけど。 散々休憩のたびにそんなおばけの話をしてたら、余計恐ろしくなって、「お化けなんかないさ」の歌を歌いながらバスの掃除をした。 だって、山の上のそれしかない宿で、街灯も無く、真っ暗な中でバスの掃除をしてるんだもの、ひょっこりバスの外に、白い着物を着た人を見ても嫌じゃない。 警報機がまだ鳴り終って無い時に、私が情報を聞きに、もう1人のガイドが、1年生の様子を見に部屋まで行った。 寝てたらしい。 警報機には全く気が付かずに、すでに寝てて、大丈夫かと聞きに行った先輩のノックの音で起きたらしい。 おぉ~、何と肝の据わった若者よ! 心配して行った方が、大きなお世話というものだった。 でも、こんな若者の方が、きっと逃げ遅れて遺体で発見!なんかになると思うぞ。 出張ばっかりのこんな仕事をしてるんだから、何かあった時に、すぐに対応できるように、自分の体は自分で守れるようにしておいた方が良いぞ。 なんて思いながら、風呂に入って寝た。 1晩中、警報機のランプが光ってるのが不気味だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.04.14 12:52:59
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