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ラッコの映画生活

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2007.01.27
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カテゴリ:日本映画
海流
堀内真直(ホリウチマナオ)
(95min)
那覇・桜坂劇場にて

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1972年沖縄本土復帰の十年以上前アメリカ統治時代1959年に沖縄ロケが行われた映画。50年近く前の沖縄がカラーで記録された映画でもあり、沖縄の年配層には人気がある。フィルム劣化で上映されることは久しくなかったが、2000年那覇市中心の国際通りと交差する沖映通りに名を残す沖映本館の取り壊し時に退色はあるものの状態の良いプリントが発見され上映され好評で、今回松竹のオリジナルネガからのニュープリントが実現した。翌1960年は年間574本の映画が作られ(最高記録)、娯楽の王道として映画が生きていた時代の松竹作品だ。1959年は美智子妃が今上天皇(当時皇太子)とのご成婚でテレビが普及した時代であり、この574本のピークを境に映画が衰退していった。そういう意味で日本の映画界にいちばん活気があった頃の作品と言える。原作は前年『週刊女性』に連載された新田次郎の人気小説であり、当時有馬稲子と松竹の二枚看板だった岡田茉莉子主演、復帰前の沖縄ロケとリキの入った作品で、娯楽作品として完成度が高い。今も残っている建物なども写っており、現在沖縄に住む自分にとっては、昔の沖縄の街並が見られるのも興味深い。

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台湾沖を航行中の紅洋丸は台風8号で遭難、救命艇で助かった者、水死体で見つかった者、ラジオニュースをアナウンサーの葉子が伝えている。一人行方不明のままなのは通信長の豊野だけだ。実は豊野は葉子の恋人だった。その豊野は流木にしがみつき漂流しているところを謎のサングラスの男が船長をする船に救助される。しかしその船は密貿易船で、ボス稲本は秘密保持のために豊野を殺すように命じるが、サングラスの船長は沖縄での連絡先を教え、なぜか逃がしてくれる。船長は救助した豊野を見たとき、見知っているかのような顔をする。サングラスで豊野には船長の顔は分からないが、聞いたことのある声だった。沖縄島の岸近くで海に飛び込んだ豊野は泳いで岸にたどりつく。豊野は海に浸けてしまって壊れた父親の形見の腕時計を修理にだす。サングラスの船長に教えられた宝石店への連絡を待つ以外に、豊野には何のあてもなかった。首里の守礼門で日傘の美しい女性に声をかけられるが、豊野は逃げるようにその場を去った。豊野は新聞記者の新城に追い回され始める。記者の勘で豊野が何か記事ネタになりそうな事情を抱えていると感じたのだ。しかしやがて2人は友情で結ばれるようになり、記者新城は自分の部屋に同居させる。豊野を連れて新城は富川家を訪れる。ここの娘節子は沖縄舞踊家で、新城は彼女に思いをよせているのだ。豊野は彼女に紹介されるが、それは守礼門の日傘の女性だった。

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( 以下完全ネタバレ)
豊野の仕事の世話を父親に頼んでくれと新城に頼まれ、豊野に惹かれ始めていた節子は父親の運転手、家の庭仕事などの仕事として父親に雇わせ、自分のそばに置く。節子はひめゆりの塔、中城城址などに案内し、中城城址では沖縄の唄を歌って聞かせる。新城の部屋で豊野は新城にラジオの葉子の声を聞かせ、恋人だと教える。新城は豊野の事情を調べあげていて記事にさせてくれと言うが、自分の身の危険を犯してまで助けてくれたサングラスの船長の命にかかわるからと、豊野は書かないでくれと頼む。そして豊野は沖縄民謡、節子が歌ってくれた唄を口ずさんだので、その唄は沖縄の女性が生涯一度だけ愛の告白で歌う唄だと新城は教え、節子が生涯の恋として豊野を愛していることが明かとなる。豊野はサングラスの船長に呼び出され会いにいくと、それは戦友の杉岡だった。杉岡は組織が彼を殺そうとしているので密航船で本土に帰れと言う。節子の家を新城が訪ね豊野に内地へ逃げるようにさとすが、豊野は節子を愛するようになっており、雨の日の雨宿りの折に既に二人は結ばれていた。このまま沖縄に残ると言う。それを聞いて節子は「その言葉だけで十分です」と。外には追っ手がすでに迫っていて、豊野は修理した形見の腕時計を節子に渡し、新城と杉岡の手引きで密航船の待つ海岸へと向かうが、杉岡は犠牲となって射殺される。

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東京に戻った豊野はかつての恋人葉子に会いにいくが、彼女は別の男性と既に結婚していた。死際に杉岡に世話を頼まれた妹小枝を訪ねると、若い彼女はバクチと酒と男の自堕落な生活を送っている。豊野は小枝の隣のアパートに住み、兄の死は告げぬまま、彼女をまともな生活に更生させようとする。そんな豊野に小枝は惹かれ始めていた。沖縄では節子が沖縄舞踊団の東京公演を思いたち、新城の新聞社の主催・後援で実現する。節子と新城は東京を訪れ、豊野と3人東京での再会を喜ぶが、新城は自分も節子が好きだが二人の思いを知っているので、一人席を外す。小枝の部屋で豊野と二人で兄の誕生日の祝いをしようと約束していた日、食事の準備が出来た小枝は隣室の豊野を呼びに行くが、彼が節子と抱き合っているのを気付かれずに見てしまう。劇場での舞台稽古の日、小枝は豊野に金をねだろうと訪れるが、節子と3人で顔を合わせると、小枝は2人の様子を見て、また実は兄が死んだことを聞かされ、「兄に頼まれた義理をはたしていただけなのね」と言うと、外に待たせてあったボーイフレンドのバイクに相乗りし、スピードに悲しみを紛らそうとする。豊野は車で後を追うが、小枝はハンドルを握る男にどんどん飛ばすように求め、最後は100キロの猛スピードで崖から転落してしまう。小枝が死んだことで節子は、一生あなたを愛し続けるけれど、小枝の影はずっと豊野と2人の間に立ちはだかってしまうだろうからと、別れる決心を告げる。公演の終わった劇場の楽屋。節子は涙を流していた。そこに新城が現れ豊野に節子の帰りの航空券を渡して言う。「男ならその航空券を破ってみろ」と。そこに小枝の日記が届けられ、自分は豊野に惹かれてはいるが、節子との愛の成就も願うべきだという思いが書かれていた。新城は「小枝は考えていたよりずっと大人だったんだよ。」と言う。豊野は小枝の思いと死を背負いながらも、節子への愛を成就しようと、航空券を破り、節子と抱き合うのだった。

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脚本はしっかり書かれているし、沖縄の観光紹介的要素もありながら不自然でなく全体の物語に溶け込ませていて、実に立派に出来ています。演出や演技も良く、涙を誘われそうにさえなります。小枝の日記を読んで新城が「小枝は考えていたよりずっと大人だったんだ」とたしか新城が言い、それで二人が小枝の死を消化して愛を成就させる心理過程がもう少ししっかり描かれていたらもっと良かったですね。ちょっと唐突な感じですが、ハッピーエンドはやはり嬉しいものです。岡田茉莉子は吉田監督との結婚前で当時26才、思ったことは実行する明るい性格と深い情愛を兼ね備えた役を演じ、とても魅力的です。印象ですがこの時代の映画に描かれる女性は、理想であってリアリズムではないのかも知れませんが、今より古い男女制度に縛られていながらも、信念を持った強い女性として描かれている気がします。これもいいですね。この作品、やはり日本映画黄金時代の娯楽大作と言えるんでしょうか。「松竹グランドスコープ」とか「イーストマン松竹カラー」というクレジットや「現像:東洋現像所」なんていうのも何かいいです。余談ですが、岡田茉莉子がこの映画でも日傘持ってクルクル回したりしていますが、これって彼女のトレードマークなんでしょうか。1967年の『炎と女』でも2002年の『鏡の女たち』でも日傘さして回してます。特に若い頃の作品では、彼女のちょっと甘えているような魅力を表現している感じです。

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土曜深夜の楽天さんの定期メンテナンスが終了した後に確認すると、その前には正常だったのに一部が文字化けしていました。元の文章のバックアップはなかったので一部書き直しました。



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Last updated  2007.07.05 03:40:01
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