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眠りの底で

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2007.11.27
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カテゴリ:物語 鬼果
  女は
  口に針をふくみ
  手の中にハサミを隠し持っている。
    昔 手に入れた星を暗闇で研ぎ続け 今では 切っ先鋭く冷たい刃。

  女は
  出会うものすべて 目をそらしてやりすごす。
  すれ違ってから 後ろ姿をにらみつけ 
  そのうなじに 針を吹き刺す。
  背中を ハサミで切りつける。

  女は
  世界を憎み すべてを恨み
  なにより自分を嫌っている。

  女と
  わたしがすれ違う。

  ワタシが言った。
  「収穫の時」

  わたしは 女がふりかえるより先に 
  その背に ずぶりと手を差し入れた。
  女は 悲鳴をあげて 鬼火となった。
  わたしの手に 鬼火が灯った。

  
               
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Last updated  2007.11.30 11:06:45
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