精神一到何事か成らざらん
ありふれた毎日を繰り返しながら、2006年もあと4日ばかりを残すのみとなった。この1年も実にいろんなことが起こった。今、過ぎ去った日々を振り返って、失ったものと得たものについて考えてみる。レポート用紙の中央に線を引き、その左側に失ったもの、右側に得たものを書き出してみよう。これまでの人生に比べれば、失ったものはさほど多くはないかも知れないが、得たものについても、これといって喜べるほどのものもない。ある意味では失った分だけ何かを得ることができた1年だったとも言える。今まで過ごしてきた中では、まあまあ平凡な日々が続いた1年だったのだろう。たいした災いもなく、マイペースでここまで来れたことに感謝しよう。過ぎてみればあっという間の1年なのに、いざ振り返ってみると何があったのか、かすかな記憶を頼りに大まかなことは思い返すことはできても、その細部まではほとんど思い出すことができない。人間の記憶なんて本当にいいかげんなものである。しょせん時間は過ぎ去っていくものなのだし、ちょうど電車の窓の外を流れていく風景のように、流れるままにしておくのがいいのだろう。しばらくたって、嫌がうえでも思い出さずにはいられないようなできごとだってきっとあるはずだから。平成という時代が始まってもう19年目を迎える。つい昨日、昭和が終わったばかりだと思っていたが、嘘のような速さで時間は過ぎていってしまった。何かを失うことを恐れずに、何かが得られるという特別な期待感を抱くことなく、明日という日に向かってひたすら突っ走る。そうすることが今の僕に一番ふさわしい生き方だと言い聞かせるのだとしたら、道はおのずから開けていくだろう。僕の求めている「新天地」もきっとどこかに見つかるはずだ。いつも心をピュアな状態にして明日を夢見ていたい...。「明日」という字は明るい日と書くのね...」そんな歌が何十年も昔に流行っていた。生き方しだいでは明るくも暗くもなるはずのこの人生、確かに様々な可能性を秘めた「明日」が毎日やってくるというのに、これまで僕はそのチャンスをいくつも見逃してきてしまったようだ。何と悲しいことだろうか。「明日」に流されることなく、自分の意志で前進しよう。僕は決して「さまよえる子羊」ではない。ただ自ら求めてさすらい続ける「気ままな風」になりたいだけなのだ。Where there's a will, there's a way. (意志のある所に道は開ける=精神一到何事か成らざらん)僕は自分の意志が求める道を信じよう。自分自身のために、自分が見つけた一本の道をたどっていく。2007年はそんな1年でありますように...。そして、2007年こそ、この世の全ての人々が平和で、幸福に満ちた日々を送れる1年となりますように...。(Photo: 「時代」という川は流れる…Yellowstone River, Wyoming)