(関豊太郎 著)「土」恩師の宮沢賢治の評価は「鬼才」
タイトル「土」
著者 関豊太郎 著
出版者 誠文堂新光社
出版年月日 昭和19
国立国会図書館リンク
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1066618
賢治の死後に出版されたこの本には、恩師の賢治に対する評価が書かれています。
土壌学者として賢治の炭酸石灰普及活動を高く評価し、その死を悼む気持ちが伝わります。
(引用開始)
(引用者が常用漢字、新仮名遣いに変換)
筆者は盛岡に在職中、附近に酸性土の多いのに寒心し、しきりにその矯正を勧誘した(大正の中ごろ)。(引用者略)その当時は、ほとんど反響がなかったが、東京へ移ってから数年後(大正の終わり)に花巻の宮沢(賢治)氏から「貴下の宿望であった石灰岩末の使用がよほどひろまってきて、隣県からも続々注文がある」という報知を得て、内心喜んだ。宮沢氏は「盛岡高農」の出身者であって、私財をなげうって郷里の農事改良にじんすい(引用者注 尽瘁、体力をことごとく使い尽くし疲れはてること)、没後、「童話」ですこぶる有名になった鬼才である。
(引用終了)
150~151ページ
#宮沢賢治 #関豊太郎