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カテゴリ:健康・ダイエット
道元禅師は24歳のとき、中国(宋)に渡り、4年間修行されて、28歳で日本に帰りました。
54歳で亡くなられるまで「正法眼蔵」95巻、「永平清規」6巻などの著述を残しております。 「正法眼蔵」が、天地の道理を説いた楽譜なら、「永平清規」は今ここでの生演奏の仕方を説いたものといえましょう(青山俊董著「道元禅師に学ぶ人生」から引用)。 この「永平清規」6巻の一巻であります「赴粥飯法(ふしゅくはんぽう)」には、食事をいただくときの作法が親切丁寧に述べられております。 巻頭では「法等食等」を強調しております。 つまり、「法」は「食」と同じであり、仏の教えが自分に備わっているのであれば、食事の作法も適切に行われるということです。 食事が適正ではなく、いい加減なものであれば、生活がいい加減になり、幸せで健康な明るい毎日を過ごすことはできない、ということでもあります。 更に言いますと「日常茶飯」、毎日の食事とお茶の中にこそ、真理があり「当たり前」と思われている「平凡な日常生活」こそ、修行です、となります。 この「赴粥飯法」に、食事をいただくときの五つの教訓「五観の偈」(ごかんのげ)がありますので次に紹介させていただきます。 一つには功の多少を計り彼の来処(らいしょ)を量る。 二つには己が徳行(とくぎょう)の全欠をはかつて供に応ず。 三つには心を防ぎ過(とが)を離るることは貪等(とんとう)を宗とす。 四つには正に良薬を事とすることは形枯(ぎょうこ)を療ぜんが為なり。 五つには成道(じょうどう)のための故に今この食(じき)を受く。 以上 これを私なりに現代語訳しますと下記のようになります。 一つ、この食事が整うまでの多くの人々の働き、つまり食物を栽培した人や料理したかたがたの精進に思いをいたします。 そのような食事をいただくことを有りがたいことと感謝申し上げます。 二つ、この有りがたい食事をいただくにあたって、自分はそれに相応しいものであるかどうかを反省します。 三つ、心の汚れを清め、貪りの心を持たないように食事をいただきます。 四つ、この食事を、健康な心身を維持するための良薬としていただきます。 五つ、この食事を、仏である「本当の自分」を知るためにいただきます。 以上 食事をいただく前に、この「五観の偈」を唱えていた習慣は、今や忘却の彼方に消え去ってしまいました。 これらの教訓を要約している「いただきます」と「ごちそうさまでした」との感謝の念だけでも、必ず食前食後に唱えていきましょう。 合掌 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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