今日、オバチャンが来ません。
昨日も来ませんでした。
おとつい（月曜）も朝来なくて、その時は遅れて来ました。
「ごめんね～。歯が痛くて考えられなかった～。」
涙を浮かべてしゃべるその姿を見たら、ちょっと怒れないなー。
しょうがないね、今度からは先に電話してね。　という話で終わりました。
でも、昨日と今日来ない理由は、別にあります。


実は、我が家、来週日本に一時帰国するんですよね。
2週間ほど、ちょっくらヤボ用ってヤツです。


私がその事をオバチャンに言ったのは、7月1日、お給料を渡す時でした。
「そっか～、ニョニャ～、帰るんだね～♪　ゆっくりして来てね～♪」
妙に嬉しそうなオバチャン、きっと仕事しなくていいから嬉しいんだなーと
その時は普通に考えてたんだけど･･･


月曜日、オバチャンが来てから外に出ました。
夕方帰ってみると、オバチャンからの手紙が一枚ありました。
「いってらっしゃ～い♪　ちゃんと週3回は来るよ～！　25日に会おうね～♪」
あかん･･･。どうやら完全に勘違いしてるわ･･･。
オバチャン、私、10日から行くって言ったやん？
2週間だけだって言ったやん？
なんで25日って日はちゃんと聞いてんのに、2週間って単語は聞いてへんのん？


「ダメだよ、こっちの人に事前に予定を伝えたら。　絶対勝手に考えて行動するんだから！」
と、だんなに言われ、
「普通、メイドには直前に言うもんだよ。　早く言う必要ないんだよ。」
と、運転手Ｊにまで言われてしまった私。　くすん。


最初から予定が分かってるんだから、早めに言ってあげた方がいいだろう、
なーんて考え方が通じないのが、ここの国。
「わ～い！ニョニャ帰るんだ～！お休みだ～！」と浮き足立っちゃって
人の話なんか聞いちゃ～いません。　トホホ･･･。


昨日1日来ないのは、まあいっかって思いました。
でも手紙に「週3回来る」って書いてるんだから、今日は来るだろうと･･･
な～んて期待はしてなかったけど、案の定　来ませんでした。
会社の秘書にお願いしたけど、今日はどうやっても娘婿に連絡がとれないとの事。
最終手段という事で、自らオバチャンを探しに行く事にしました。


前回、オバチャンの娘の結婚式があった場所へ車でＧＯ！
多分、絶対　外人が来る事のないような、下町。　（結婚式の時でさえ、外人は私達だけ）
そんな地域に、招待状を見せながら、「この人（花嫁＝娘）のお母さん、探してるの～」
と乗り込んでくる外人って、やっぱり変？？？
最初は訝しげに睨んでた人々も、結婚式に来てたニョニャだと分かると
すぐ協力して、まずは娘の家まで連れてってくれました。
娘もそりゃ驚いてたよ。　　だって会社のはるか上の人（こっちの人からするとそうなる）の
奥様が家にやってくるなんて、ありえない事！
慌てて着替えて、オバチャンの家に案内してくれたものの、
あまりの恐縮振りに、こっちが申し訳なくなり･･･。


オバチャンの家は、ちょっと離れたところにありました。
当然、車なんて当然入れないくらい狭い場所、　なので、途中から歩いての案内に。
その時も娘が「すみません、こんなところ汚いでしょ、狭いでしょ、ホント、すみません。」って。
え～ん、ごめんなさ～い。　別に私は平気なんだよぉ。
そんなに気にされたら、こっちが申し訳なくなるよぉ。
そんなに卑下しなくても･･･。


さて、やっとオバチャンの家にたどり着きました。
「オバチャ～ン！」と呼んだけど、どうも分かってない様子。
娘が何度も「ニョニャだよ、お母さん、ニョニャが来たんだよ！」
って教えても、まったく状況を把握できないオバチャン。
「なんで、ニョニャがここにいるの？　ニョニャは日本に帰ったはず。
ニョニャに似てる人？　でも外人が来るわけないし･･･　えぇぇっっっ！　本物？！」
彼女の脳みその回路がその答えを出すまでに、少なくとも3分は必要でした。
「ごめんね～、私はてっきり月曜の夜帰ったんだと･･･、ごめんね、ごめんね。」
と、オバチャンは心臓が止まりそうな顔しながら、必死に謝るんだけど、
なんだか鳩が豆鉄砲って顔してて、本当にこっちこそごめんって気分になりました。


驚かしたり、苛めたりするつもりはなかったんだけど、
今週、あと3日、普通に来てほしいだけなのよねー
だって電話がないんだもん、しょうがないよぉ～


それでも、笑顔が固まったオバチャンなんて見たことありません。
私が突然来た事も、この家の環境を見られた事も、嫌だったのかもしれないな。
それに、娘にあんなに「すみません、汚くて･･･」って言わせてしまったし･･･
私自身はまったく平気なんだけど、彼らにとってはとても違和感のある事。
プライベートも外人になんて見せたくなかっただろうし、悪かったかな。


「人は、場違いな場所に行ってはいけないんだ。」と思ってしまうような、
そんなオバチャン探しの日でした。


それより、ちゃんと人の話、最後まで聞こうね！　オバチャン！！