戦国時代の宣教師たち 終幕
戦国時代の最後の戦、大阪の陣天下取りに王手をかけた徳川家康その最後の障壁となった豊臣秀頼日本の頂点を決めるこの戦いは、オランダとスペインの覇権争いとも深くつながっていたスペインを後ろ盾とする宣教師たちは、勢力挽回のため豊臣家に肩入れした「秀頼様は自由な布教と教会の建設を約束してくださった 皆が秀頼様の勝利を望んでいる」宣教師たちは豊臣方につくようキリシタンの武将達にも働きかけた全国から信仰心厚いキリシタンも結集豊臣軍は総勢10万の大群に膨れ上がっていたキリシタン勢力は武器の調達においても活躍した決戦の舞台となった大阪城では、今大規模な発掘調査が続いているが地下から現れる豊臣軍の軍事基地の痕跡 そこから作りかけの鉄砲玉が発見された大阪城下では戦の最中、銃弾の製造が行われていたのだそれを可能にしたのがスペインとつながるキリシタン商人であるキリシタン商人は弾の原料となる鉛をかき集め、大阪城に運び込んでいたのだ決戦の火蓋が切られた四方から大群で攻め寄せる徳川軍しかし、豊臣軍から一斉射撃を浴びせられ、大阪城には近づくことも困難であったここで家康は起死回生の策を打ち出す大砲による大阪城の直接攻撃であるしかし、大阪城は徳川軍の陣地からは最短でも500メートルの距離、従来の大砲の有効射程を超えていたこの時、家康が頼みの綱としたのがオランダの大砲であった当時の世界最新式のキャノン砲オランダの大砲は大阪の陣の最中に家康のもとに届けられた砲弾の威力は凄まじく、天守閣と御殿を直撃 多数の死傷者を出す総大将秀頼は戦意を喪失、豊臣家がついに滅亡する150年にわたる戦国の世に終止符が打たれた大阪の陣は、オランダとスペインの覇権争いにおいても転機となったオランダ東インド会社が、待望の銀を手にする決定打にもなった「家康様に大砲と砲弾を納品した」「代金は銀貨12,000枚にのぼる」家康の信頼を勝ち得たオランダ年々取引高を伸ばし、最盛期には年間94トンもの銀が日本から運び出された小さな商業国だったオランダが、ついに大国スペインに対抗しうる力を手にしたのである勢いづいたオランダはスペインとのさらなる戦いに乗り出していく植民地争奪戦である舞台となったのは東南アジア 香辛料の特産地モルッカ諸島海上交通の要で、マラッカなど重要な貿易拠点の多くはスペインが支配していたオランダはこのスペインの植民地を奪い取る計画を立てる鍵となったのは、戦国日本から輸出された驚くべき商品であったオランダ国立公文書館には日本を出発したオランダ船の積荷リストが残されている火縄銃や槍、日本刀等、戦乱の中で性能を高めた日本製の武器はかっこうの商品であったがさらに、武器とともに数多く記されていたのが日本人の名前であるひとりひとりに細かく給料が定められていた彼らの正体は金で雇われ海外の戦場で戦う傭兵 日本の侍たちがいわば商品として輸出されていたのである背景にあったのは、日本の戦国時代が幕を閉じたことであった天下太平の江戸時代が訪れると、それまで戦をなりわいとした多くの侍が失業新たな戦いの地を求めていたのであるこの侍を植民地争奪戦に用いたのがオランダであるスペックスのもとに東南アジアの総督府から救援要請が届いた「スペインとのと戦争に導入するため、勇敢な日本人を可能な限り送ってくれ」スペックスは日本の侍を数百人規模で雇いあげようと画策その実現のため家康との直接交渉に乗り出したオランダから武器を入手し利益を得ていた家康は、スペックスの申し出を特別に許可した「家康様に日本人傭兵の出国許可を願い出た とても見事な兵士を届けることができるだろう」日本人傭兵を手にしたオランダは、スペインが支配するモルッカ諸島に狙いを定めるモルッカ諸島の特産品の香辛料の価値は、同じ重さの銀に匹敵すると言われ、莫大な利益を生み出す商品であったスペインはモルッカ諸島の各所に堅固な要塞を築き防備を硬めていたオランダは長年、その攻略を試みるが、果たせずにいたこの時突破口を切り開くために送り込まれたのが侍だったのであるオランダが建てたモルッカ攻略作戦の記録が残されていたまず軍艦が夜の闇に紛れて要塞に接近、絶え間なく攻撃を加えるスペイン軍が釘付けになっている隙に、歩兵隊が密かに上陸夜が明けるとともに敵の死角から攻めいった先陣を切ったのは侍たち 鎗や日本刀による接近戦で敵を切り崩した侍たちの決死の攻撃で要塞は陥落オランダは勝利を手にした「日本の傭兵はオランダ人以上に勇敢だった 彼らの旗が城壁に最初に掲げられた スペインをアジアから駆逐するには、日本人傭兵が大きな助けとなる」侍の力を得たオランダはスペインの植民地を次々と奪取して、貿易ネットワークを大きく塗り替えた世界の海をゆくヨーロッパ船の、実に4分の3にオランダの旗が翻ることとなるオランダは戦国日本と結びつくことで、世界の覇権を手にしたのである戦国時代は、日本と世界が初めて本格的に出会った激動の時代戦国武将たちの天下をめぐる戦いの背後には、ヨーロッパの大国の秘められた思惑があった一方、戦国日本が見出した議員や侍もまた世界の歴史を大きく動かしていたのであるオランダ、アムステルダムにて今また戦国日本が世界に大きな影響与えた証が見つかっているオランダ東インド会社が製造した大砲にX線を当て金属の成分を解析したところ、極めて不純物が少ない銅であることがわかった世界各地の銅のデータと比較したところ、大砲に使われていたのは日本の銅であったことがわかっている日本の銅を使った大砲が、ヨーロッパの戦争に投入されていたのだ1618年からの30年戦争オランダはこの戦いに勝利した敗北したスペインの没落は決定的なものとなった宗教の時代から、経済の時代へ国境を越えて人やものが行き交う中で、世界史の大転換が起こったのである日本とヨーロッパがつながったことである現象が生じたそれは、新たに出現したグローバル経済を最も効率的に利用したものが勝利した、ということである戦国時代の日本はまさに世界史の最前線であった新たな時代の扉を開いた戦国日本私たちは今 ひとつにつながった激動の世界に生きている以上で、テレビでやっていた番組 戦国日本 の話を終わりますああ 疲れたたまにはおかたいお話もいいかなと思って始めたけど年内に終わってよかった次は何にするかなユング心理学の簡單なまとめをテレビでやっていたのでそれでもやるかしらん