夜中の作り話
「わけもなく 旅立つ人を追いきれず かわりばえせぬ我の日常」(俵万智)わけもなく旅に出るの? 何故じゃ! どーしてじゃ!追いきれず、ちゅーんだから男と女だわなー。何年か付き合ってなけりゃ、追いはしない。大金貸してたりしたら別だけど、それじゃつまらない。「雅子ー、オレさー、しばらくアメリカに行く事にしたんだけど一緒に来ないかー」「えっ、なんで急にそんなこと言い出すの?何しに行くのかな?」(女が年上かもしれない)「何しに行くって言われても具体的には煮詰まってないんだけど、このままじゃ自分の人生先が見えちゃってるって言うか、とりあえず英語の勉強でもしてさー、スキルって言うの?身に付けてからもう一回勝負したいんだよね。」「毅、今の会社辞めて行く訳? せっかく慣れてきたって言ってたじゃない。」「そうだけど、子供の頃からの夢だったんだよね、アメリカって。」「そんな話してくれたことないよ今まで。」結局、男は女と別れる為にわけもなく旅に出るなんて口実を作ってるってことかな。新しい(年下の)彼女でもできたに違いない。勿論女もそれを理解しているから、未練たらしくひき止めたりしない。「いったい何だったの、私の3年間は・・・」なんて思いは湧かないし、「別に結構よ」ってなところで、男が居ようが居まいがかわりばえのしない日常を送るってとこかな。ありゃりゃ・・・これじゃーわけはあるか。別れる為っちゅう、れっきとした理由があるやんか? どないしまひょ。トイレの壁にかかっているカレンダーに記された、俵万智の歌。いつものようにお腹が痛くなって、座り込みながら考えていた。それにしても、「わけもなく」って現象はままあるし、便利だ。世の中連休のさなか、私もわけもなく出勤を繰り返している。本当は理由があるのだけれど、「わけもなく」として自分を誤魔化している。今日は、久々に関所寄ろうと思っている。関所に寄って考えなくちゃならないことがある。「わけもなく」の受けかかり・・・「わけもなくかわりばえしない」とも読めるから、こっちをかんがえなあかんね。詰まらんこと考えなさんな! と言われそうだ。ほな。