■レビュー内容
「あらあら。今からもう尻にひいてるよ」
ああっ、これも終わっちゃうのかぁ~、残念。こういう質の高い漫画には、なかなかお目にかかれない。描くのが大変のは容易に想像がつく。単発でもいいからまた描いて欲しい。
■あらすじ【ネタバレ注意】■
松之丞は知らぬ間にお家騒動に巻き込まれつつあることに気づき、塩谷から託された笄を物産方勝木主水に渡すべく、急ぎ江戸へ戻る。勝木に会い笄を渡すと、笄を狙い勝木が襲われる。賊を追い詰めた松之丞は、賊が母の侍女で自身の世話係でもあったおゆうだと分かる。おゆうは松之丞と争うことなく笄を差し出す。笄を取り戻した松之丞は、勝木とともに加賀大浄寺藩藩主重利の側用人才川に会う。才川は笄を検めるとそこには「練張り」の技術が記された紙が入っていた。藩政改革を断行したい重利には必要なものだった。
おゆうは大浄寺藩江戸藩邸に入り込んでいた。藩政改革に抵抗する筆頭家老蛭間の差し金で才川の暗殺を目論んでいたが、松之丞の示唆から事が露見し失敗する。江戸藩邸から逃走したおゆうは献残屋俵屋の屋敷へ入る。松之丞から情報を得て大浄寺藩江戸藩邸に張込んでいた市蔵は、おゆうを尾行し俵屋へ入るのを見る。状況からおゆうの身が危ないことに気付いた松之丞らはおゆうを助け出す。おゆうは、松之丞の母りくと松之丞の命と引き換えに蛭間に従うよう脅されていたのだった。
松之丞は、おゆうと大浄寺藩を救うべく一計を案じ、江戸中に俵屋の悪行を流し失脚させることに成功する。才川は、松之丞が蛭間に組することがないことを悟りおゆうの罪は問わなかった。
五郎佐は、年末が近づき大阪からのスリ集団取締のため囮捜査を下っぴきたちに命じる。市蔵は、お玉に連れ合い役を頼み酉の市へ出かける。しかし、まんまとお玉のカンザシをすられてしまうが、スリの仲間の子供勘助を捕まえる。五郎佐は、仲間が捕まったことでスリ集団が動くと踏みほとんどのスリを捕まえるが、親分の銀蔵は取り逃がす。
預け先を逃げ出した勘助は、吉原で銀蔵を探し当てる。銀蔵の居場所をつかんだ町方が踏み込むと、銀蔵は勘助を人質に逃げ出すが、騒ぎを予見していた松之丞が、銀蔵を倒し、勘助を助ける。