■レビュー内容
「選ばれたのなら私も私のスタイルでいきましょう」
まるっと一巻、憲人の初TV出演ドラマのお話。劇中劇をここまでちゃんと描くってことは、何か言いたいことがあるんでしょう。被害者のはずの被爆者が、差別を避けるためその事実を隠したって話は聞いたことありますね。石に願いを、なかなかいいお話でした。
■あらすじ【ネタバレ注意】■
TVドラマの準備、撮影が順調に進み、憲人の初TV出演ドラマが放映される。
石に願いを。友人エヴァンの死を知り、日本を訪れたレニーは、エヴァンが能を習っていたことを知り、滞在の間エヴァンの代わりに習うことにする。能の先生岡崎藤哉(憲人)から、エヴァンの亡くなった場所が能舞台の近くだと聞き案内してもらう。その後、刑事からも話を聞かれたレニーは、事故死だと聞いていたエヴァンの死に疑問を抱くのだった。
エヴァンの携帯電話が見つかっていないことを聞いたレニーは、エヴァンからのメールで、藤哉の師匠瓜生市三郎には一人娘澪(葉月)がいて、エヴァンが恋心を寄せていたことを思い出す。稽古に通うたびに見かける澪は、毎日祖母の世話をしているようで、澪と藤哉の間には恋が芽生えているように見えるのだった。
藤哉、澪、師匠、祖母と接するほど、エヴァンの死に何かがあったと思うようになるのだが、帰国の時が迫る…。