■レビュー内容
「そんなもんいらねぇよ…とファンは言うでしょうけどね」
上司がマヌケならどんな英才も役に立たない。組織にはありがちな構図でも、局地戦で負けが重なれば、不敗の武興王も…。手足を縛られてのアル・レオニスと時間との戦いとなるカザル。
■あらすじ【ネタバレ注意】■
ファンは、ドラガン海峡の浅瀬を風を読んで通り抜けてみせる。ファンの力量を知ったジトは、大海帥の命になら全力で答えると約束する。船は、流しておいた樽を回収し、アルラン山脈の西、ガルハサンの入江に何とか辿り着くと、一万の精鋭を率いカザルも到着する。休息の後、ルグーンに向かうカザルにファンは、八分の力で駆け、夜襲は避けろと助言し、余分な糧食は運んでやるというのだった。
ウォルハン軍より先に王都ルグーンに到着したアル・レオニスは、敵襲があると進言するのだが、王宮守衛将エイザックは一笑に付す。仕方なくアル・レオニスは、自身に与えられた騎兵千騎で罠を仕掛けるのだった。
ウォルハン軍は、ルグーンに二日目の夜半に到着する。月が隠れ夜襲には絶好の条件がそろった夜にカザルは、ファンの忠告を聞かず夜襲をかけるのだが、アル・レオニスの罠にはまってしまう。カザルは、全軍の1/4を失い何とか撤退するのだった。
ガルハサン国王は、ウォルハン軍の出現に驚きアル・レオニスに策を尋ねる。アル・レオニスは、ルグーンを捨て商都ガルハへ移ることを進言する。城壁もない商都では、ウォルハン軍に対抗出来ないという王宮魔導師ヴァースナらに反対され、止む無くルグーンに残る守備兵3千で、次善の策を講じるのだった。
糧食を運んでウォルハン軍に追いついてきたファンは、夜襲に備えがあったことからアル・レオニスが帰参していることは確実だという。カザルは、ルラン関から戻った兵は少数、必ずルグーンを落すと豪語するが、ファンはアル・レオニスの言が入れられ、ガルハへ逃げられたらどうすると問うのだった。
アル・レオニスにも枷があることを見抜いていたファンは、アル・レオニスの出方を見定めようとするのだが、その晩に守りを固めるはずのガルハサン軍に夜襲をかけられてしまう。ファンは、その軍の中にアル・レオニスの姿を見るのだった…。