■レビュー内容
「何、頭掴んでんのよ。痛いじゃない」
久しぶりに「この先どうなる」ってドキドキしながら読みました。昨今の報道の節操の無さに辟易している身には爽快でした。まぁ、報道に限らずなんちゃら警察にもうんざりですが…。15歳の少女の顔と胸くそ悪い記者を脅してる時の顔のキャップが…。
■あらすじ【ネタバレ注意】■
響の作品は、芥川賞どころか直木賞にもノミネートされる。半世紀以上ぶりの快挙に文芸界が騒めく。一方、響はそんなことは気にも留めず、凛夏に会いに行く。凛夏の作品は候補から漏れており、つまらない作品を書いた凛夏に訳を尋ねるのだった。
凛夏は、花井と何度も書き直すうちに自分の書きたかったものが分からなくなってしまったと言う。書く前からつまらなくなってしまうと分かっていたが、花井に嫌われたくないと無理やり書き続けてしまったと吐露するのだった。響に人のせいにしてはいけないと言われた凛夏は、ちゃんと言いたいことは言うから嫌いにならないでと花井に伝えるのだった。
15歳の新人作家にマスコミが動き出す。花井は、響が未成年であることを理由に一切の取材を受けないことにするのだが、ゴシップ誌の記者に嗅ぎつけられてしまう。響は、言葉の通じない記者のカメラを取り上げ車道に投げ、記者の家まで尾行し、子供の写真を手に記者を脅すのだった。
芥川賞、直木賞の発表当日。響の作品は、両賞を同時に授賞する。賞を贈られて顔も見せないのは失礼だという響。響の言動を心配する花井は、自分が響きの盾になろうと決める。花井は、顔写真NG、記者からの質問は花井が答えることで記者会見の場を乗り切ろうとする。だが、記者からゴーストライターが書いたのではと質問された響は、自分で答えようと花井からマイクを受け取ると、そのマイクを記者に投げつけるのだった…。