テーマ:最近観た映画。(38857)
カテゴリ:映画
「堀越二郎と堀 辰雄に敬意を込めて」というキャッチコピーこそが、
この映画に込められた宮崎駿監督の思いなのでしょう。 加えて、「生きねば」という言葉の重み、受け止めなければならないのだと思います。 【あらすじ】 大正から昭和にかけての日本。戦争や大震災、世界恐慌による不景気により、世間は閉塞感に覆われていた。航空機の設計者である堀越二郎はイタリア人飛行機製作者カプローニを尊敬し、いつか美しい飛行機を作り上げたいという野心を抱いていた。関東大震災のさなか汽車で出会った菜穂子とある日再会。二人は恋に落ちるが、菜穂子が結核にかかってしまう。(シネマトゥディ) 主人公の堀越二郎の吹き替えは、あのエヴァンゲリオンの監督でもある庵野秀明さんですが この吹き替えが、色々話題となっているようですね。 確かに、いかにも素人という吹き替えですが、 物語の進み方が、どちらかというと淡々とというか 比較的、感情移入しにくい雰囲気で進むので 私自身は、あまり何も感じませんでした。 ただ、二郎の気持ちというか、飛行機作りにかける気持ち、その熱い思いの部分が もう少し強く描いて欲しかったかなという気持ちはありますが・・・。 映画が始まってすぐ、関東大震災のシーンが描かれます。 画面から迫ってくる破壊される町の様子。 アニメと解っていても、その迫力というか画像の一つ一つから恐怖感が伝わります。 実在の人物をモチーフに描いているせいでしょうか、 これまでの宮崎作品の想像力に溢れる、ファンタジー感いっぱいの作品とはかなり雰囲気が違うので、 この映画を見て、戸惑ったり物足りなく感じた人も多いかもしれませんね。 しかし、自分の夢に向かってひたすら走り続けた堀越二郎の人生と 里見菜穂子との恋愛を描いた青春映画と思って観ると 純粋な気持ちが伝わって来ました。 堀越二郎は、太平洋戦争で日本の航空機の中心となった零戦の設計者だそうですが 彼自身、戦争をするために、飛行機を設計していたのではなかったと思うんですよね。 例えば、人を殺すための道具として、原子力も発見された訳ではないはずなのに 使い方を誤った結果、原子力爆弾という最悪の兵器が産まれ、多くの人が殺傷されたのと同じく 人類の幸せを願って、一生懸命に作ったものが、このような結果を招いたという事実は、 私達は決して忘れてはいけないことだと思うのです。 そして、何があっても「生きるのだ」という気持ちを持ち続けることが、 我々に課された使命なんだと感じました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年07月27日 01時17分53秒
[映画] カテゴリの最新記事
|