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Starting Is beautiful 39 ~名前~ 「ところで、この船の名前はなんていうの?」 まだ、新しく造られたばかりの船でした。ルエラの問いに苦笑して、首をふります。 「君が決めていいよ」 ルエラは、首を傾けて考えます。 船の名前を考えるのは初めてです。 少しわくわくしました。しばらく想いを巡らせて、ぽんと手を打ちました。 「St.Maria(セント・マリア号)」 にっこり笑うルエラに微笑みます。 「仰せのままに、僕の女神」 妻の額にキスをして、そっと手を取ります。次第に強くなってきた風に促されるようにして船室へと入っていきました。 ルエラに名付けられた船は、まるで主の意志に沿うように、力強く大海原を進みます。 風を受け、大きく張り出した帆が、太陽の光をはじいて白く輝きます。 大海原で白い帆が、ぽうっと浮かんでいます。 白く輝くその姿は、まるで、空で煌めく星のひとつのようでした。 おわり ******************************* お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.06.23 08:07:56
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