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カテゴリ:【物語】桃花幻想記:秘密の小瓶
桃源郷:秘密の小瓶2 ~過去~ 「私、こんなの持ってたっけ?」 小瓶を眺めて呟きます。 クリスタルがきらきら輝いて、中の液体と太陽の光が あたり、虹色の光が部屋の中をちらちら踊ります。 香水かと思って、香りをかごうとしましたが、 見えない封印のようなものが施されていて、 開けることも香りをかぐことさえもできませんでした。 「通鷹のだろうか…」 そこまで呟いて、リンははっとしました。 ずいぶん前に、通鷹と仲よさそうに話していた 女性が持っていたものでした。 シンプルなシルバーのロングドレスに、艶やかな黒髪が 美しい女性でした。 照れたように女性と押し問答をした末に、通鷹がこの 小瓶を受け取っていたことを思い出しました。 昔のこととはいえ、リンは嫌な気持ちになりました。 女性のことはすっかり忘れていたし、通鷹も話さなかったので、 そのままでした。 それでも、女性からもらった小瓶をこんなに厳重に封印をして 大切そうに持っていることが悲しくなりました。 とても美しい女性だったので、その人の香水かもしれません。 気にはなりましたが、勝手にあけるのは躊躇われたので、 そのままわきによけておきます。 あとで、ちゃんと本人に聞こうと思い、 リンはそのまま掃除をすすめました。 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.12.16 08:54:18
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