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カテゴリ:【物語】桃剣幻想記
桃剣幻想記 3 ~印~ 「通鷹~!」 「リン」 思いがけず、縁側からリンの声がして立ち上がりました。 リンが手に持っているものをみて、ぎょっとした表情を浮かべます。 「リン!それ…」 「あ、この剣、通鷹のだよね?さっきそこで、拾っ…」 「早くこちらに」 険しい表情と声音の通鷹に驚いて、リンは立ち止まりました。 うなづいて縁側から部屋に入り、通鷹に手渡します。 「確かに私のです。一体どこで?」 いつもの散歩コースでルーンと会い、剣を拾ったいきさつを 語ります。 リンの話を聞いて、なぜそんなところにと、 ぶつぶつ呟いたのでリンは首を傾げました。 それから、顔をあげて、リンに体調は平気かと尋ねます。 なんともないことを確認して、ほっとしたように息をつきました。 「そんなに危ないの?」 天狗のルーンも同じように、リンの体調を心配していました。 「封印はしてありますが…」 言葉を濁す通鷹に眉をひそめ、剣に視線を向けます。 蒼の鞘にしっかりおさめられた剣に、薄く青白い光の 文様が浮かび上がっていました。 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.12.25 09:18:47
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