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カテゴリ:【物語】桃剣幻想記
桃剣幻想記 7 ~謎~ リンは、生活の場を通鷹の竹林の庵へと移しました。 家財道具はもともとそろっていたので、衣服の整理だけで すみます。 もちろん、庵とリンの家が通路のように勝手口と納戸の扉で つながったままです。 不自由はありませんが、ひとつ気がかりなのはリンが妊婦だということです。 通鷹は動けそうにないし、一人ですべてを請け負うのは無理な相談でした。 『何かあった時のために』 高時は、連絡用の白い鳥をリンに渡し、式神をつけます。 翠(スイ)という杉の木の精霊が少女の姿をとって、 家の手伝いをしてくれます。 他にもリン自身を守ってくれているハクトや、他の 守り手が、必要な時は姿をとって、手伝ってくれるからとリンに伝えます。 不安そうな顔をするリンに、たまに様子を見に来るからと それだけ言い置いて去っていきます。 剣についても通鷹のことに関しても、ほとんど何も語らないままでした。 ただ、剣の手入れだけはきちんとするよう言います。 『その内、剣についてわかることがでてくる』 俺が語るよりよっぽどいい、と笑って、 体調の管理をしっかりして定期的にディーンに診察を してもらうようにと言いました。 わけがわからないながらもうなづいて、剣に視線を 向けます。 突然倒れてしまった通鷹と一体どんな関係があるのかと、 一人ため息をつきました。 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.12.29 09:53:41
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