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ジゼル@ きれー 光と影と緑のコントラストがきれい(^^)
2011.12.30
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 桃剣幻想記 8

 ~聴~


通鷹が倒れてから、数日が過ぎました。
最初の2~3日は、こんこんと眠っていましたが、
少しづつ布団の上に起き上がれるようになってきました。

「すみません」

リンと式神の世話を受けながら、それだけ呟いて
すぐに眠りへと落ちていきます。
話をするのも億劫なようで、白湯を飲んだだけで
深い眠りにつきます。

桃林の方は、リンがいなくても大丈夫とまわりの者が
請け負ってくれたので、ほとんど竹林の庵で過ごしていました。

縁側に座って、さわやかな風を送ってくれる竹林の葉を眺めます。
それから、手元にある蒼い剣に視線を向けました。

剣の手入れは、通鷹がやっていたのをみようみまねで
やっていましたが、どうもすっきりしません。

「やり方が違うのかな」

高時は、リンがこの剣をつくったのだから、わかるはずだと
言い置いていきました。
ですが、リン自身この剣に関して何も知らないのです。
まだ、自分の中に眠る古い記憶なのだろうと思いましたが、
思い出せる気配もまったくありませんでした。

剣の鞘をゆっくりとなでて、ため息をつきます。

「私にどうしてほしい?どうしたら良いか教えてくれないか?」

剣に呟いて、そんな自分が少しおかしくなってくすりと
笑います。
剣がしゃべるはずがないのにと、剣を床の間に戻そうと
立ち上がった時でした。


  (みず…)


どこからか、声が聞こえて、リンはどきりとしました。
通鷹かと思いましたが、眠っていて身じろぎひとつしません。
気のせいかと思った時、もう一度声がしました。


 (みずをください)

手元の剣がぽうっと青白く光ります。
どきどきしながら、青白く光る剣にそっと手をそえました。



つづく





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Last updated  2011.12.30 10:05:48
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