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2012.01.02
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 桃剣幻想記 11


 ~花びら~


リンが不思議なビジョンを見て以来、通鷹は少しづつ
元気になっていきました。
以前は、白湯を飲むだけで寝てしまっていましたが、
重湯から果物、徐々に固形物を口にするようになります。

食べた後や、動き回った後は、すぐに布団に横に
なっていましたが、それどもだんだん元気になっていく様子が
嬉しく思いました。

「リン、ずっと剣を持っていて重くありませんか?」

縁側で、日向ぼっこする通鷹が苦笑します。
リンは、蒼い剣をずっと肌身離さず持っていました。
今も背中に剣を背負って、洗濯物を取り込んでいます。

竹篭に洗濯物を入れて、くるりと振り向いて笑います。

「全然」

そうですかと微笑んで、欠伸をします。
それから、柱に寄りかかってうとうととし始めました。

通鷹の様子に微笑んで、竹篭を持って縁側にあがります。
奥から毛布を持ってきて、通鷹にかけると、
リンはその横で洗濯物をたたみ始めました。

リンは、なぜか剣を手放してはいけないような気がしました。
不思議なビジョンの中で出会った龍が、ひどく寂しそうな目をしていたからです。

その龍は、通鷹の心を表しているように思えました。

「あなたは、今でも寂しいのかな」

陽だまりの中で眠る通鷹を見ていて、鼻の奥がつんとします。
何かを伝えたかったけれど、リンの体に負担にならないようにと
先送りしてしまったと高時との会話で語っていました。

「そんなに、私は信用できない?」

黒髪に手をそえた時、背中が熱くなりました。
急いで、剣を背中から外すと、またぼんやりと薄く光っています。

何か、してほしいことがあるのだろうか

そんなことを思った瞬間、ふっと意識が途切れ、以前のように
不思議な空間にたたずんでいました。

蒼く静かな空間で、少女の声が聞こえます。
きゃっきゃっと笑う黒髪の少女が、龍にじゃれついていました。
龍も嫌がるでもなく、少女にされるがままになっています。

じっとその様子を眺めていると、黒髪の少女が振り向いて、
翠の瞳をきらめかせました。
少女は嬉しそうににっこり笑って、リンに向かって
手を振ります。
あんまり嬉しそうだったものだから、リンも思わず手を振りました。

「    !」

少女がこちらに向かって大きく叫びましたが、聞き取れません。
聞き返そうと口を開きましたが、声がでませんでした。
焦って、龍と少女のそばに行こうとすると、突然
ピンクの花びらがリンを囲みます。

花びらの渦の中で、目を閉じて風が収まったと思って
目を開けると、縁側でぼんやりと座り込んでいました。

膝元の剣のそばにどこからはいりこんできたのか、
ピンクの花びらが散らばっています。

「夢?」

花びらをつまんで眉をひそめます。
龍のそばにいた少女は、以前通鷹から聞いた少女に思えました。

「一体…」

リンが考え込んだ時、通鷹が身じろぎをしました。
慌てて、剣を背中に背負って、また洗濯物をたたみ始めます。
日が落ち始め、風が冷えてきたのを感じてリンは立ち上がります。

ハクトを呼び出すと、手伝ってもらいながら、
通鷹を部屋の中へと連れて行きました。



つづく







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Last updated  2012.01.02 10:55:43
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