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カテゴリ:【物語】桃剣幻想記
桃剣幻想記 13 ~鳥~ 「まさか、お前が飛ばしてくるとはな」 白い鳥を肩に、高時が通鷹のそばに座り込みます。 固い表情ですみませんと謝る通鷹の背を叩きました。 「剣に取り込まれたな」 「はい」 あれから、何をしても息を吹き返さず、 術を使って強引にリンを引き戻そうとしました。 すると、剣のまわりに浮かんでいた不思議な白銀の文様が 大きく浮かび上がり、リンを中心に結界を張ってしまったのです。 どうやっても結界の中に入ることができず、 通鷹は、高時に知らせました。 「だから、嫌だったんです」 「情が深いからな」 あれはただの剣なのに、と苛立ってがしがしと頭を かきます。 「お前の分身だろう?」 「ですが…」 「なに、悪いようにはせんだろう」 待つことしかできないと言う高時に、ため息をつきます。 成すすべもなく、結界の中にいるリンを二人でじっと眺めていました。 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.01.13 09:58:58
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