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カテゴリ:【物語】桃剣幻想記
桃剣幻想記 20 ~庵~ 「夢…?」 「大丈夫ですか?」 目を開けると、自分は畳の上に寝転がって、 心配そうに自分の顔を覗き込む通鷹と高時の顔を見ていました。 ゆっくり起き上がって、通鷹の胸に体を預けます。 何度か呼吸をして、自分が竹林の庵にいるのだと認識しました。 「リン?」 何も言わないリンの肩に毛布をかけ、そのまま抱きしめます。 あたたかい腕に抱かれて、やっとリンは口を開きました。 「通鷹、ありがとう」 そのまま通鷹の胸に体を預けて、今みた不思議な夢の内容を 語ります。 話すうちに涙がこぼれ、少しづつ気持ちが落ち着いきます。 「剣の龍は癒されただろうか」 すっと見上げると、いつもの優しく微笑む通鷹と目が合いました。 目じりに涙が浮かんでいます。 「もう、癒されています」 リンの頬に手をあてて、軽く口付けます。 それから、そっと抱きしめました。 通鷹に抱きしめられながら、横を向くと渋い顔をした 高時がこちらをじっと見ています。 「ねえ、なんで高時がいるの?」 リンの呟きに、高時は盛大に顔をしかめたのでした。 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.01.25 11:23:42
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