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はじまりのひと11 ~男女~ いくつかの興味深いことをロイとルナから教わりましたが、 そのなかでもエネルギー交換ということに二人は驚きました。 手をつないだり、ハグしたり、笑顔や言葉を交し合うだけでも エネルギーの交流になるのだそうですが、 そのなかでも強く愛し合っているもの同士のエネルギーの交換には、 区別がないということでした。 「こちらには、性別が存在しないのよ」 「女性性、男性性と表現するわ」 柔らかに微笑むルナは女性そのもので、なんのことを 言っているのかさっぱり理解できませんでした。 あらゆる存在には、男性性、女性性と両方あり、男性であっても 女性性が強くでていて、女性らしいひともいます。 女性であっても、男性性が強く現れていて、男性っぽい しぐさをするひともいます。 「自分の中にある女性性と男性性のバランスを取って、 統合すると、性別を選ぶことができ、どちらでも赤ちゃんを宿すことが できるのよ」 これには、クローディアが驚いて、思わずロイとシキを 見ます。 「お互いの強い意志が必要だけどね」 ルナとロイは、卒業するまで結婚しないと固く約束していました。 けれども、お互い相手の子供が欲しいと強く望んでしまったのです。 「じゃあ、なんでルナが?」 「私が産みたいと強く思ったのよ」 ふわふわと微笑むルナの横で、ロイが苦笑いを浮かべます。 「僕の中の男性性が、ルナの母性に強く反応してしまったんだ」 地球での男女の交わりとは違い、姿かたちが、女性同士であっても 男性同士であってもお互いを愛し合うことになんの偏見も ないといいます。 姿かたちは、あくまで本人の好みの姿をとるのであって、 魂の奥深い部分で相手と交わるのだそうです。 「直感ともいうわ」 「愛のエネルギー交流は奥深く、そして、とても神聖なものなんだよ」 なんと反応していいのかわからず、頬を染めるクローディアを ロイとルナが微笑んで眺めました。 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.02.14 08:08:42
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