ドイツ観光最大のハイライトとも思われますノイシュバンシュタイン城の建設は、バイエルン王ルードビッヒ二世が莫大な借金の下で1869年に始められました。
1869~1873年に城門館が建てられ、2~3階内部も仕上げられました。1884年には本丸がほぼ完成し、ルードビッヒ?世が最後の2年間を過ごしたようですが、1886年にシュウタルンベルク湖畔で謎の死を遂げてしまいました。
バイエルン王国の財政逼迫もあり、王の死後、建設作業は実質的に中止となりました。宮殿本丸3階、騎士の館もそのままで残されました。婦人部屋は1890年に建てられましたが、図面にあった装飾や塔も省かれ、シンプルな形となりました。
本丸と並んで目を惹くはずであった高さ90メートルの天守閣は、全く着工されることはありませんでした。
その他テラス、浴場、本丸3階のムーア人広間も全て、着工中止となったのです。
何か悲しいロマンを誘うノイシュバンシュタイン城は、バイエルン地方にあるロマンチック街道の終点にもなっています。
未完ではありますが、美しい城の姿は訪問客を魅了し、しばし眺め、写真撮影しつつロマンに浸らせるのです。
絶好の撮影場所は、城の裏手の渓谷に掛かるマリーエン橋、ここからの写真が紹介されることが多いようです。
遠くからノイシュバンシュタイン城を遠望して見ますと、自然の中に小さく見えて、人の営みも小さく見え、別のロマンを誘うことになるかも知れません。
最初のスライドは隣山にあるロープウェイのゴンドラから撮影したものですが、遠すぎるのと途中から城が見えなくなりますので、このロープウェイから撮影はお勧めできません。
上から見ても、下から見ても、横から見ても周囲環境にマッチした美しい城であることは疑いありません。
ルードビッヒ二世が傾倒し、庇護した音楽家リヒヤルト・ワーグナーに「私は古い城の廃墟に新しい城を建てようと思っている。其処は見つけ得る限り最も美しい場所です」と書いています。