テーマ:徒然日記(22903)
カテゴリ:Technology
昨日は、正義感溢れる技術士から2回も電話を頂いた。
技術士事務所は閉めない様、技術士会はそのままにしておく様、とか色々でした。 別に技術的な話をした訳ではないのですが、彼は水道部門、私は機械原動機部門、出自の違いもあって自分の来た道はプラント基本設計で技術追求にあったと改めて思い浮かべるに至りました。 彼のことは、何回かブログで取り上げ、最新版はもう2.5年前こととなりましたが、下記をご覧頂ければ幸いです! 切々たる技術士の再評価請求-JICAの構造改革なるか? 導管内ガスから内壁側熱伝達を経て地中熱伝導にて地表面に達し、地表面自然対流熱伝達によって放熱される仕組みを計算するのは、数学的に見てもノイマン(Neuman)問題としてなかなか難しい問題である。 ここでは、地中の熱伝導が、ガス熱伝達および地表面熱伝達に比べ十分小さいことを想定して問題をより単純化することでディリクレ(Dirichlet)問題として検討する。 ![]() この問題は1920年代、埋設電線からの放熱問題として解決されたもので、上記図形をSchwarz-Christoffel式による写像にて矩形に変換しての簡単な一次元熱伝導問題に置き換えることが出来る。 考えている命題を複素平面(z=x+iy)で定義し、下記の関数にて他の複素平面(t=u+iv)に写像する。 t = i * ln((z+c)/(z-c)) 即ち u+iv = i * ln((x+c+iy)/(x-c+iy)) ここで、c2 = d2 - a2で設定する。数学的な意味はz平面の(-c, 0)及び(+c, 0)から対象点への各々の距離をr、r’、角度をθ、θ’とすると次の様に定義される。 v = ln(r/r’)、u =θ'-θ cを上記の如く設定したことで、z平面の円はt平面にv一定の水平線分で写像される。 結果としては、地中埋設の円筒部分はv=cosh-1(d/a) , u=0~2πの線分に、又地表面部分はv=0 , u=0~2πの線分に写像される。 即ち、矩形で、表面積が2π、温度傾斜が(Ta - Tg)/ cosh-1(d/a)とした極めて簡単な一次元熱伝導問題に転換された。 その結果、放熱量Qは次の様に求められる。 Q = 2*π*λ*(Ta - Tg) /cosh-1d/a = 2*π*λ*(Ta - Tg) /ln((d + √(d2 - a2))/a) ここで、π: 円周率(3.14159…) この解法を知ったのは30才の頃で、神田神保町の古書店で購入した「Heat Conduction in Solids」で見つけた時は50年前に優れたエンジニアがいたものだと感心したものです。 神田神保町を歩く 近頃は、スーパーコンピュータが発達して、FEM等を利用して複雑方程式を解いてしまう傾向が強いのですが、上記の様なスマート解法で難問を解いて行くことは、労力と時間が節約できるので忘れてはなりません。 工学を目指すものは、応用数学の適用が必須ですから、上記の函数論・特殊函数、フーリエ・ラプラス変換、微積分方程式等は是非習得されることをお勧め致します。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.03.09 13:44:43
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