カテゴリ:技術士
昔日、造船・重機を主体とする重工三社と言えば、MHI(三菱重工)、KHI(川崎重工)、IHI(旧石川島播磨重工)であったのですが、造船不況と共に重機主体となってMHIとIHIが株式銘柄を機械に移しKHIは輸送機器のままとなって様変わりし、MHIが突出することとなりました。
その差は火力発電事業、特に大型ガスタービン展開にあって、他2社を断然リードしたことにあります。 又、発電事業と言いますと重電3社、Toshiba(東芝)、Hitachi(日立)、Melco(三菱電機)と思われますが、原子力発電事業分野ではMelco(三菱電機)は脇役でしかなく、MHI(三菱重工)が主体的役割を果たして来ているのです。 今回のMHI主導によるHitachi(日立)との火力発電事業の合併模索で、更に差を開こうとしています。 MHIの大型ガスタービンとHitachiの中型ガスタービンを組み合わせてシナジー(相乗)効果を狙い、世界で戦える体制を強化しGEやSiemens(独シーメンス)に並ぶ世界3強を目指すと言うのです。 売上2兆円強のMHIが9兆円のHitachiを併合すると言うのですから大したもので、両社合算の火力発電事業の売上高は1兆1000億円、日立は米GE(ゼネラル・エレクトリック)と提携関係にあるのですが、GEの協力が得られなくても、三菱重工の技術で補完して3兆円を目指すと自信満々なのです。 原子力発事業については、三菱重工は仏アレバと日立がGEと提携関係にありますが、原発ビジネスの視界は不透明な状態では両社統合の議論は時期尚早、国内が再稼働しないと海外展開出来るか否かも分からず、環境が明確になって来れば決まって来るだろうとこれ又意欲満々なのです。 世界市場を睨みGEやSiemensに匹敵する“重工重電メーカー”の誕生は、重工重電のライバルToshibaはGE大型ガスタービンとの技術提携関係にありますが、その事業戦略に影響を与えて更なる業界再編の呼び水ともなります。 大型ガスタービンを持たない重工メーカーKHI、IHIも事業戦略の再検討を要し、その激動流に晒されつつある気がします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.04.10 13:36:15
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