テーマ:気になる技術動向(1282)
カテゴリ:Technology
世の中にクリーンディーゼルと言う語彙が広まっていますが、マツダのSKYACTIVディーゼルを除いて、エンジン自体は窒素酸化物NOxや粉塵は減らしてはおらず、エンジン下流に設置した除去装置で、取り除くシステムですので、ドイツのベンツ等が宣伝するクリーンディーゼルは許されざる語彙だと思っています。
マツダのSKYACTIVディーゼルは、高濃度となるNOxや粉塵そのものを減らすべく、圧縮比を22程度から14程度に低くして、根本的な排気浄化技術に挑んだのですから、他メーカとは違って賞賛に値します。 そして、今度はSKYACTIVエンジンに、予混合圧縮着火(HCCI:Homogeneous Charge Compression Ignition)と言う技術開発に成功したとのことで、更なる排気浄化と燃費改善が望めると言うことで、感嘆致しました。 今回のニュースを拝読して、マツダは東洋工業時代にWankel Engineと言うドイツ技術を発展開発して、世界に先駆けてRotary Engineとして自動車に搭載して販売した、冠たる自動車技術開発メーカだと、改めて認識しました。 大学の優秀な同期生が東洋工業に入社、Rotary Engine開発に寄与しました。 そして、故郷の家業を継ぐべく、九州の久留米に帰りましたが、体調を崩して数年前に亡くなったしまったことは悲しい出来事でした。 マツダの「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言 2030」は、「自動車産業を取り巻く環境の変化を踏まえ、“地球”、“社会”、“人”、それぞれの課題解決を目指すチャレンジ」と言う。 “地球”領域では「CO2排出量を2050年までに2010年比で90%削減することを視野に、2030年までに50%削減を目標とする」とあり、更に「クリーン発電地域や大気汚染抑制のための自動車に関する規制がある地域に対して、EVなどの電気駆動技術を2019年から展開する」と説明する。ハイブリッド化されることはあるにしても、ベースとなる内燃機関の効率向上は不可欠であると言うことだ。 こうした長期目標を実現するための具体的な手段が次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」で、世界の自動車メーカが取り組んでいるが実用化への道筋が見えなかったHCCI(予混合圧縮着火)技術開発成功によるものだ。 具体的にはガソリンと空気の混合気を圧縮してディーゼルエンジンのように自己着火させるのだが、燃料が少ない希薄混合気を効率よく燃やすことで燃費が向上し、さらにパワーもアップする。 ただし、すべての領域で圧縮着火するのではなく、プラグ着火する領域もあるが、圧縮着火する領域を増やすかが技術開発の課題だったが、独自の燃焼方式「SPCCI(Spark Controll Compression Ignition)」(火花点火制御圧縮着火)によって、それを解決した。 言わばガソリンエンジンとディーゼルエンジンの“良い処取り”のエンジンだが、「燃費、トルク、レスポンス」はディーゼル並み、「出力、暖房性、排気浄化性」はガソリン並みだという。スカイアクティブXは従来のスカイアクティブGに比べて全域で10%以上、最大30%以上のトルク向上を実現し、燃費は最大で20〜30%改善するという。 スカイアクティブXは2019年に導入されるが、どのクルマに搭載されるのかは未発表だ。また、スカイアクティブXが実用化された後も、アップグレードされたスカイアクティブG/Dが併売され、スカイアクティブXはトヨタに供給する予定はないという。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.10.11 09:10:36
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