NHK出版新書「人工知能の最適解と人間の選択」では、人工知能AIの社会進出に肯定的に捉えています。
人工知能AIの社会進出が、寧ろ本当の人間の価値を浮かび上がらせると言う期待を抱き、もはや止めることの出来ない潮流の行く末を今後も取材し続けたい。
自己研修機能ディープラーニングを持つAIは、人知を超えた最適解を提供して、将棋では名人棋士を凌駕し、組織人事や裁判でも活用され、政治の世界でもAI政治家の到来も予測しています。
しかし、不世出の将棋棋士である羽生善治氏は、それに懸念を示しています。
人間には学習出来ないブラックボックスが人工知能AIには存在することになり、社会が人工知能AIを受容する中で、AIが人間には受け入れ難い危険な判断をする可能性もゼロでは無い様に思うのです。
それに対して著者は、次の様に結論付けるのですが、至って曖昧で論点の整理が出来ない段階で余りにAIの社会進出にポジティブであり過ぎる様に思われるのです。
英国オズボーン氏の論文「雇用の未来」で示した様な懸念が現実のものになりつつあり、仕事がAIに置き換わる可能性や、AIが企業や国家に有利に働く様にプログラムされ、従業員や市民の選別や誘導、操作に利用される事態も静かに広がっている。
多様な価値や立場を尊重するAIの実現には、私達自身の議論への参加が求められていて、その問いに向き合い続けなくてはいけない筈だ。