「クォ・ヴァディス」はポーランドの作家ヘンリク・シェンキェヴィチの代表的小説で、これに因り1905年ノーベル文学賞を授与されました。
「クォ・ヴァディス」とはラテン語で「(あなたは)どこに行くのか?」 を意味し、新約聖書の『ヨハネによる福音書』13章36節からの引用でもある。 この言葉は、聖ペテロの運命を決めたばかりでなく、その後のキリスト教の苦難と栄光の歴史を象徴するものとして作中のクライマックスで用いられている。
この小説を知る発端となりましたのは、高校時代の社会科の授業で、担当教諭は嘗て文学青年だったらしく、ヘルマン・ヘッセの「デミアン」、トーマスマンの「トニオ・クレーゲル」等、授業そっち抜けで、文学の面白さを語り出すのでした。その中にシェンキェヴィチの「クォ・ヴァディス」もあって印象深く覚えることとなりました。
又、1951年にアメリカで、壮大なスケールのスペクタクルとして映画化されました。
監督はマーヴィン・ルロイ、出演はロバート・テイラー、デボラ・カー、ピーター・ユスティノフ、レオ・ゲン。他にもエリザベス・テイラーがカメオ出演しており、無名時代のソフィア・ローレンが奴隷役としてエキストラ出演している。アカデミー賞では作品賞の候補を始め7部門(助演男優賞は2人なので8候補)となったが、監督賞や脚本部門では候補になれず、受賞もなかった。暴君ネロを演じたユスティノフはゴールデングローブ賞を受賞し、アカデミー賞でも助演男優賞の候補となっている。