東京新聞の12月18日朝刊に、露伴の小説「蘆声」の舞台となった旧中川水辺公園、彼が頻繁に釣りに出掛けたことを紹介して解説しています。
代表作の「五重塔」を発表、作家として地位を確立した幸田露伴は、現在の墨田区東向島に移り住み、酒屋の別荘だった建物を「蝸牛庵」と名付けて、妻と3人の子供、書生等と賑やかに暮らした。小説「蘆声」は、その当時を回顧するスタイルで描かれている。
遠い記憶を辿ってみますと、小学校6年生の国語の授業で、有島武郎の「一房の葡萄」を読まされたのを記憶していますし、多分中学校の国語授業で幸田露伴の「五重塔」を読んで感想文を書くことがあったのでしょう。
そうで無ければ、脳細胞が劣化しているとは言え頭の片隅に残っている訳はありません。
「五重塔」は、主人公十兵衛の天才的な腕、不屈の精神や職人魂を称賛している小説のようにみえます。
十兵衛の、恨まれようが何をされようが、自分の類まれなる才能を思う存分発揮したい、という自信や向上心は素晴らしいとは思います。それに彼は、おそらく皆さんがイメージする、頑固で融通が利かない職人気質のモデルケース。
ですが、建築現場では、コミュ力が低いと仕事になりません。大工だけでなく、左官など多くの職人が迷惑を被ることを、悪い意味で証明しているのが十兵衛なのです。
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Last updated
2021.12.20 08:53:22
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