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April 19, 2007
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カテゴリ:MBA留学

投資銀行で数年勤務しておきながら、M&Aのいわゆるバリバリな交渉を経験したことがない私です。
(どっちかというと資金調達案件に関わることが多かったのと、M&Aに関わっても、交渉までたどり着く前にディールがつぶれたり、若輩者は交渉につれてってもらえなかったりとか、色々理由はあるのですが)

仕事でちょっとした契約交渉みたいなのはやりましたが、基本的に相手をたたいて条件を奪うタイプの交渉がとても苦手でした。
こう見えても、生まれつき、ナイーブな性格で、そもそもケンカ腰で人と接するのがcomfortableじゃないんです


*     *     *


そんな僕が、恐れていたネゴシエーション(交渉術)の授業がついに始まりました

ネゴシエーションは、各授業ごとに、事前にクラスメートの誰かが交渉相手としてアサインされて、ケースに基づいて事前に交渉を行い、そこでの気づきや学びをクラスでシェアする、というタイプの授業です。

ケンカが苦手で、英語も得意じゃないのに、鼻息の荒いアメリカ人とサシで交渉なんて、もう気絶しちゃいそうです。


今日は、あるメーカーがライバル企業とジョイント・ベンチャー(JV)を設立するため、JVの条件交渉を行う、というケースでした。

僕の相手は、製薬会社の営業マンをやっていて、口は超達者、クラスでは毎回発言をかかさないアレックス。面の皮の厚い奴が多いHBSの中でも、特にアグレッシブな性格の持ち主としてクラスで恐れられている。

で、交渉では、以下のようなトピックについて話し合いを行います。

- 持分比率
-
社長をどっちが出すか(ケースによれば、どうも相手方の社長のほうが有能で、その人を社長にしたほうがJVの利益が増えるようです)
どっちの会社にJVの事務所や工場を設置するか(設置した側が事務所使用料をもらえます)
- JVの顧客は、JVが完全に新規開拓するのか?それとも、新規開拓に加えて、親会社両社が、自社の顧客をJVに紹介するのか?紹介するとしたらどのタイミングで紹介をはじめるのか?(当然相手のお客はJVに取り込みたいけど、自分のお客はJVに紹介せず自社でキープしておきたい)
- JVの期間が終わったあと、知的財産権はどっちの会社が引き取るのか?


交渉のゴールは、JVをやらない場合の価値(つまり自社の既存顧客に引き続き商品を売っていった場合の利益)よりも、JVをやった場合の価値(JVから分配される利益 - こっち側が持つコスト)が大きくなるように、うまく条件をこっち側に有利に引き寄せること。

なんたって、相手がアグレッシブ・アメリカ人ですから、「お互いに何も譲らず、綱引きみたいな交渉になるんだろうなあ」と思っていました。


ところが、交渉がはじまってみると、どうも様子が違います。
僕がすごい大事だと思っていた条件を、相手があっさり飲んだりするのです。

たとえばこんな感じ。
社長については、相手に「うちの人材を社長にしたほうが売上が伸びるからお互いにとって得だろ?」といわれ、反論は難しく、相手に譲りました。
悔しいので、「じゃあ、その代わりに、JVの期間が終わったあとに残った知的財産権はうちにくれよ」といったら、あっさりOKでした。
知的財産権は僕の手元の数字だと、1,000万ドルの価値があるから、そんな簡単に譲ってくれないと思っていたのですが。。。
どうも、相手は別の情報をもとに、知的財産権をあまり高く評価していないようです。

どうも、これはゼロサムゲームじゃないな、お互いの持っている情報に非対称性があり、お互いが持つコダワリも違うから、その違いをアービトラージしていけば、お互いにとってハッピーで価値が高いディールができるはず、と思ったあたりから、流れが変わり始め、交渉は一気に協調的に

結局、いろんな条件を交換し合って、持分比率50:50で、めでたくJVの条件を合意することができました。


交渉というと、相手から条件を奪うゼロサムゲームという思い込みがあったのですが、交渉の条件を工夫することによって、お互いにとってプラスの価値を生み出していく、というのがハーバード交渉術の一つのキーポイントのようです。

空手をやっていた頃、筑波大学の監督が、「下手な空手家は相手を殴ろうと必死になるが、達人は相手を包み込むような気持ちで、相手と協働して美しい作品を作ろうという意識で組手をするものだ」といっていたことを思い出しました。


とはいえ、自分の持っている情報をお互いに簡単に出さない状況下で、どうやって、相手の本当の利害やコダワリを見抜き、アービトラージのチャンスにつなげていくか、という戦術はなかなか難しく、これから学んでいく必要がありそうです。


*     *     *


めでたく、合意ができたものの、それでも結構相手に殴られました

JVの名前も相手に譲ったし、事務所と工場の設置場所も向こうだし、既存顧客の紹介も相手に有利な条件になったし、なんとなくアンフェアな契約を押し付けられた残尿感(!?)が残ります。。。

僕としては、JVをやらない場合よりは高い価値を得ることができたものの(経済的にはmake senseする)、アンフェア感を残したまま契約を終えるべきだったのか?


その恨みを、友人の軍人に話したところ、

道端に100ドルの札束が落ちていて、一緒にいたお前の友達がそれを拾って、分け前で1ドルだけあげるよ、といってきたら、お前はその1ドルを受け取るのか?
私生活なら1ドルを受け取ってもいいかもしれない。断って何ももらわないよりはマシだからだ。
でも、プロの交渉の場面では違う。
仮に経済的にmake senseしても、アンフェアな条件は飲んではいけない。
なぜなら、その1ドルを受け取ったら、お前はタフなネゴシエーターではない、という負のreputationがつきまとうからだ。
そうなったら、ネゴシエーターとしてのキャリアは終わりだ。
今日の交渉では、お前は交渉を決裂させるべきであった。

と焼かれた。


そういう考え方があるのね。。。

アメリカ流タフ・ガイ目指して精進することにします。






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Last updated  April 19, 2007 07:01:44 PM



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