本を出しました
来年度に示されているように、文部科学省が15億円の予算をつけて全国141箇所の学校にソーシャルワーカーを配置します。 この機会を捉えてスクールソーシャルワークに関する書籍を刊行いたしましたので紹介させていただきます。『スクールソーシャルワーク論~歴史・理論・実践~』 学苑社●日本スクールソーシャルワーク協会編 山下英三郎・内田宏明・半羽利美佳編著●定価2,100円(2,000円+税)●発売日:2月10日●対象読者:子どもに関わる大人すべて すべての教員、ソーシャルワーカー、児童相談所、教育センター、社会福祉を専攻している大学・短大・専門学校の学生・スクールカウンセラー・親など●目次1章 子どもたちの現状とスクールソーシャルワーク 山下英三郎2章 スクールソーシャルワークの国際的動向 半羽利美佳3章 日本におけるスクールソーシャルワーク前史 内田宏明4章 スクールソーシャルワークをめぐる行政と民間の動向 森成樹5章 スクールソーシャルワークの理論 大塚美和子6章 子どもの権利擁護実践者としての スクールソーシャルワーカーの役割 山屋春恵7章 スクールソーシャルワークと社会資源 加藤彰彦8章 メンタルヘルスに関わる問題とスクールソーシャルワーク 長崎和則9章 スクールソーシャルワークと子ども虐待 澁谷昌史10章 特別支援教育とスクールソーシャルワーク 牧野晶哲11章 学校・教師・学習とスクールソーシャルワーク 鈴木庸裕12章 スクールソーシャルワークとスクールカウンセリング 比嘉昌哉13章 スクールソーシャルワークと他職種との連携 谷口恵子14章 スクールソーシャルワークと エビデンス・ベースド・プラクティス 橋本好広15章 スクールソーシャルワークの人材養成 森田久美子 ~スクールソーシャルワークとは~ スクールソーシャルワークは100年前にアメリカで誕生し、現在世界の多くの国々で取り入れられている制度ですが、わが国では1980年代の半ばに取り組みが始まり、現在までに少数の地方自治体や私立の学校などで取り入れられています。 ところが今年になって、2008年度からは文部科学省が15億円の予算を組んで全国141カ所で導入されるという報道がなされました。これによって、一挙にスクールソーシャルワークの認知度が高まることになるでしょう。しかしながらそのことは、スクールソーシャルワークの理念や視点を理解しないままにスクールソーシャルワーカーと称して活動をする人々が増えることになり、結局はその本質は曲げられ、子どもたちを支援する方法としての可能性が低減する怖れがないとはいえません。 そのようなネガティブな影響を食い止めるためには、スクールソーシャルワークがどのような理念や方法論を持つシステムなのかを共有する必要があると考えます。 本書では、さまざまな角度からスクールソーシャルワークについて論じられており、それに対する包括的な理解を手助けする内容となっています。さらに、スクールソーシャルワーク関係者のみならず、子どもたちの問題に関心を抱いているすべての人々にとっても、新たな視点を呈示してくれるはずです。