中学生に色恋は早い??
今日は実験はなし、でラプンチェルとまったり世間話です。ラプンチェル「あー、私、今の人じゃなくて、平安時代の貴族に生まれたかったな。」苔「そう? 寒いの平気?」ラ「なんで?」苔「その頃の家って、貴族でも屋根はあっても壁はないよ。すだれがさがってて、板戸だもん。昼間は板戸をはずしたら外と一緒でしょう?暖房は火鉢一つでしょう。すごい寒いよ。」ラ「えー、それはいやだ。(笑い) でもいいよね、十二単とか。すっごいあこがれる。」苔「そして、光源氏のような素敵な殿方が・・・」ラ「そうそう。いいなあ、源氏物語。でもあの頃の人って変わってるよね。顔を見ないで結婚するんでしょう。」苔「そそ。勝手に思いを募らせて、せっせと手紙を書いて、結婚する時に初めて顔を見るんだよ。通い婚だからね。夫が家に来ているうちは結婚中。来なくなったら何となく離婚。浮気はやり放題。通ってきている男同士が鉢合わせさえしなければ、ばれないなっと。通うのが面倒になると女の人の実家に居座る。続けて三日通うと結婚成立だから、2日で通うのをやめればお試し婚で終わる。」ラ「えええー、ちょっと平安時代のイメージが変わるかも・・・。でも光源氏はそんなことしないでしょう?」 すまん、ラプンチェル。奴はそんな男ではないのだよ。苔「いやあ、光源氏は、まあ、なんだな。いい男かもしれんけど、読んでてすごく腹が立つ男だよ。」ラ「そうなの?!なんで?」苔「ヤツはマザコンでロリコンだもん。でも今も昔も男の本質はそう変わらないので、どろどろとした恋愛をしそうな時には参考になるかもね。」ラ「ちょっと待ってよ、ちゃんと聞かせて。マザコンってどういうこと?」苔「まず、光源氏のお母さんは光源氏を生んだらすぐに死んじゃう。だから、うわさで『あの方は光源氏のお母様にそっくりの美人です』って聞いたらすぐに落としにかかる。で、顔を見たらがっかりすることもあるでしょ。そしたら、困るんだよ。」ラ「えーうわさだけで、女の人を?」苔「そう。しかもね、大学生ぐらいの年の時に小学生ぐらいの年の女の子を見て、好きになっちゃう。」ラ「やー、気持ち悪い。ロリコンじゃん。」苔「気持ち悪いよね。そして勝手に自分の理想を投影して、その女の子を育てて、奥さんにしちゃう。」ラ「そんなことしてたら、女の人怒らない?」苔「怒るさ。だから、呪われたりもする。でもね、呪われた人は光源氏じゃなくて、光源氏の奥さんなんだよね。」ラ「それは・・・ちょっと違わない?」苔「うーん、だけど、女の人は割と浮気した当人の男より、相手の女を恨むことが多いみたいだよ。」ラ「それじゃあ、すごい悪い人みたいだね。」苔「まあ、時代が時代だし。その頃はまさに”不倫は文化”っていう時代なんで、結構そういう色恋は華やかみたいだよ。それにね、最後は”いいこと”をしたことになっている。」ラ「いいこと?何したの?」ああ、やっぱり光源氏だわ、と思っている節ありあり。すまん、ラプンチェル。苔「最後に大きな家を建てて、今まで縁があった(ものした)女性を集めて、皆さんにお部屋を用意して住んでもらっている。」ラプンチェル「なにーーー! それーーー! ただのハーレムじゃん!!!」まあ、生活に困らないように一生お世話します、っていう奴なりの誠意らしいんだけどね。ラプンチェル「じゃあ、源氏物語ってそういう話ばっかり?」苔「そだね。ただ、昔の恋愛小説だけどさ、男の本質は今も大して変わらないから、実際どろどろした時には参考になるよ。」ラプンチェル「先生もどろどろしたの?」えーと、えーと、えーと。1,2,3,4,5,6,・・・ラプンチェル「うそでしょ?」うそかぁ。「えへん、えへん。えーと、苔むさず先生、ちょっと中学生には刺激が強い話ではないかと・・・」助かった。どうもありがとう>先生ちなみに、先生は原文で読まれたそうですが、根性がない私は原文は桐壺(つまり最初だけ)くらいで、後は村山リウさんの口語訳を読みました。面白いよー。どろどろしてて。他には大和和紀による、あさきゆめみし(漫画)谷崎潤一郎、与謝野晶子、瀬戸内寂聴、田辺聖子、など、そうそうたる皆様が源氏物語を口語になさっています。そそるのでしょうなぁ。記載していない先生がいらしたら、指摘してください。Amazonで”源氏物語”って入れて検索したら1355件もヒットしました。たらしでも、マザコンでも、ロリコンでも、偉大な文学です。中学生にはちょっと早いかな?かしこ