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カテゴリ:小説
あれから三日三晩眠りこけてしまったが、4日目の早朝に再び目覚めた。だがどうも部屋の様子が違うようだ。隣のベットで寝ていたミイラ男は見当たらない。と言うよりも、ぼくが別の部屋に移されたようだ。この部屋は、冷蔵庫もバス・トイレも付いている。病室にしてはかなりデラックスな個室である。こんな贅沢な部屋では、1泊5万円以上するかもしれない。 貧乏性のぼくはだんだん心配になってきたが、とりあえず起き上がって少し部屋の中を歩き回ってみた。特に体に異常はないようである。ところが、洗面所に入って度肝を抜かれてしまった。なんと鏡の中には、不振な顔をした河野が立っていたのである。 一瞬ひるんだがよく見てみると、それはぼくの姿が鏡に写っているだけだった。ぼくは河野になってしまったのか。いや信じられないが、あの事故がきっかけとなって、河野の体の中にぼくの意識が移動してしまったのかもしれない。それで沙保里がぼくにむしゃぶりついてきた理由がわかった。 ではぼくの体はどうしたのだろうか。もしかすると、あのミイラ男がぼくの体なのかもしれない。そして河野の意識はぼくの体の中に閉じ込められてしまったのだろうか・・・。 なんだか急に耳鳴りと吐気が襲いかかって来て気分が悪くなった。そしてぼくはまたベットに倒れ込んで意識を失ってしまったのである。 (次回につづく) 作:河村 道玄 ※下記バナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ。 またこのブログ記事が面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.08.17 21:49:02
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