医師が主役。
今までに大量にラノベを読んできましたがあまり記憶にないです。
忘れてるだけかもしれないですけど。
この大陸で、フィジカは悪い薬師だった
鳩見すた
この大陸で、フィジカは悪い薬師だった 電撃文庫
鳩見すた
漫画なら「ブラック・ジャック」「きりひと讃歌」「ブラックジャックによろしく」「JIN-仁-」「スーパードクターK」「K2」「Dr.ハーレー」「Dr.汞」「MONSTER」「ゴッドハンド輝」「ワイルドライフ」は読みましたが、これが小説になると 帚木蓬生 の作品ぐらいしか読んだ記憶がないです。ご本人は精神科医で小説家。どんだけ才能に恵まれてるんだって感じですよね~。そして描く小説がことごとく面白い!何冊も読んでますけどハズレがないです。だから作家買いしてしまいます。
さて今回の本ですけど、間違えようもなく主役は医師です。
表紙絵の銀髪少女が主役のフィジカです。
人間相手に高額請求もしくは治療拒否しながら、その世界では宗教(エイル教)の経典「ラズの書」によって害獣指定されている幻獣はすすんで治療する。だからフィジカは悪い薬師と呼ばれています。
舞台となる世界にでは医療従事者全般を薬師と呼びます。
宗教によって害獣指定された幻獣は教会に所属する「角守(つのもり)」や「角笛の騎士団」によって駆逐されます。教会に背く異端者も駆逐対象。
表紙絵の少年・アッシュは奇しくもフィジカと一緒に旅することになった角守です。
最初はガチガチの石頭で教義に間違いなどあるはずもなくエイル教の正義は絶対と盲信していたアッシュもフィジカと旅しながら幻獣に接するうちにその心境に変化が.....
みたいな内容でした。
宗教については個人的に思うところはイロイロあるんですが、そんなのを書いても面白くないでしょうから今回はスルーします。
ただ盲信・妄信・狂信の類は怖いし迷惑だなとは思います。
作中に登場する幻獣はそれぞれの話のタイトルにもなってます。
第一話 コカトリスを取り外す
第二話 サラマンダーのパラックス
第三話 処女と非処女と一角獣
第四話 人魚の卵を割った日
第五話 竜は眠りたくなかった
第六話 ヒポグリフの少女
といった具合に。
ファンタジー好きには有名すぎる幻獣たちですが、作中では作者独自の幻獣観で生態なんかが描かれてるので予想外な面白さがあったりします。
魅力的ですよね~幻獣って。
面白すぎて特集本とか濃い内容で分厚くて高い専門書のような本とか今までに何冊か買ってしまいました。ああいう本って買う人が少ないからなのか無駄に豪華な仕様になってるからなのか比較的高額なのが多いんですよね。気軽に買えない価格だったりします。
本の内容に戻ると、作品世界は長く大きな戦いが続いていたので疲弊しています。
人間対悪魔(エルフ)の。
何故に人間とエルフが争っていたのか?そのあたりの事は詳しく描かれてませんでした。
この本に続編があるなら物語の重要なポイントになりそうな気もします。
世界からエルフは滅び去ったということになってます。
しかし.....
と、読んで面白そうな部分を全部書いてしまうのもアレなんで、このあたりで終わろうかと思います。内容的には暗い部分もありますが暗すぎることもなく、それなりに明るい部分もある。あからさまなあざとい萌えも無いし、いかにもなファンタジーで面白い本だと思いました。